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岡部合名会社とは

1875年(明治8年)10月、茨城県常陸太田市小沢町(旧・茨城県久慈郡西小澤村小澤)にて酒造業を創業。

創業者である初代・岡部林吉氏は、地元のお米と豊富な里川の伏流水を使用して醸造した地酒を、【松盛】まつざかり / MATSUZAKARI)と命名します。

現在も主要銘柄となっている【松盛】という名の由来は、①蔵の敷地内に多く植えられていた松が“末代まで栄えますように”との願いと、②京都最古の神社で日本酒の神様といわれている松尾大社にかけて命名されたといわれています。

1919年(大正8年)10月、現在の「岡部合名会社(おかべ ごうめいがいしゃ)」を設立し、50年経過した1970年(昭和45年)10月には、瓶詰工場を蔵敷地内に設置します。

初代から長年越後杜氏の流れを汲み、長く二級酒を主製品として製造していましたが、杜氏の後継者不足により、1997年から徐々に南部杜氏へ切り替え。

南部杜氏への切り替えのタイミングで、大吟醸や純米酒などに代表される特定名称酒(高級酒路線)の製造割合を増やす方針転換をおこないました。

特定名称酒を主要路線へ切り替えると、その翌年1998年〜2001年(平成10年〜13年)に全国新酒鑑評会で4年連続の金賞を受賞します。

当時、全国新酒鑑評会で4年連続金賞受賞したのは、茨城県内の酒蔵では初めての快挙でした。

以降、全国新酒鑑評会において金賞13回、入賞3回受賞。

2002年には、FIFAワールドカップ公式ライセンス認定商品製造の受託。

2006年(平成18年)4月、蔵元の名字を記した新ブランド【岡部】おかべ / OKABE)を確立し、新しい味わい創出への挑戦が始まります。

2011年(平成23年)3月、東日本大震災により被災したことをきっかけに地域の絆をより一層強く感じ、翌年には地域の有志とともに「常陸太田自酒プロジェクト」を発足。

常陸太田市の米・水・技・心を詰め込んで、みんなで造るALL常陸太田市産の清酒【ご縁だね】ごえんだね / GOENDANE)が誕生します。

お酒は正直な生き物。いい米、いい水、心が通う仲間達で密接なコミュニケーションを図りながら、大手ブランドにはない地域風土を活かした酒を造ることをモットーに、こだわりの中にも心を伝える酒造りを目指しています。

と語るのは、岡部合名会社5代目の岡部守博社長。

2020年(令和2年)の造りから、専務で6代目の岡部彰博さんが創業初の蔵元杜氏となり、同世代の社員を中心とした新体制で、日本酒(清酒)、本格焼酎、およびリキュールの製造販売を行っています。

 

茨城県常陸太田市と蔵周辺の環境

茨城県常陸太田市は、茨城県北地域の中央に位置し、茨城県内で最大面積を誇るまち。

隣接自治体は、茨城県は高萩市、日立市、常陸大宮市、那珂市、久慈郡大子町。福島県は東白川郡矢祭町、塙町の7市町村と広範囲に渡ります。

岡部合名会社は、縦に長い常陸太田市の南部に位置し、県北地域の主要駅である水戸駅や日立駅から車で約30分の場所にあります。

常陸太田市南部は、水戸黄門で知られる徳川光圀公が、晩年「大日本史」の編さんの監修を行った隠居跡の西山御殿(西山荘)や、水戸・徳川家よりも古い佐竹藩約500年の歴史と多くの史跡が存在しているエリアです。

2021年6月現在、市の面積は371.99k㎡、人口は47,275人。人口密度は127人/k㎡。南部に市の中心部があり、北部は山々が多く広がります。

その常陸太田市の南北に流れる里川流域の低地に岡部合名会社の蔵があり、周辺は住宅と水田地帯が広がります。市の上水道の水源の一つとなっている里川の水質は、酒造りに適した鉄分少なめの「軟水」。

お酒を口に含むと、スルッと柔らかなテクスチャー。

奇を衒うことなく、真っ直ぐで正直で柔和な水から造られた岡部合名会社の日本酒は、優しく柔らかな口当たりにバランスのとれた味わいが主な特徴となっています。

 

自分たちのお酒をつくる【ご縁だね】常陸太田自酒プロジェクト

地域の絆を深め、ご縁の繋がった方々と一緒に自分たちのお酒を作ろうと、2012年から始まった常陸太田自酒プロジェクト。

地元の田んぼで米を造り地元の蔵で醸し出す自分たちの酒「自酒」。

常陸太田の水、空気、風、光、土、米、酒蔵、人、心を集結して、自分たちのお酒をつくり、育てて行こうという想いの人々が手を携えながら酒造りに関わります。

毎年5月に田植え、9月に稲刈り、11月から酒造りが始まり、翌年2月に蔵見学が開催。3月に新酒が発売され、一年を通して、お米作りやお酒造りの楽しさ・大変さを学ぶことができます。

5月第2週の土曜日に、昼は「-ご縁祭- お田植えどろんこまつり」と称して、清酒【ご縁だね】の酒米をつくる栗原農園さんの田んぼで、ご縁だねの酒米・美山錦の田植えとどろんこフラッグ。
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一旦休憩して、夜からは【ご縁だね】を製造する岡部合名会社の蔵敷地内にて「-ご縁祭- 新酒を祝う酒蔵の宴」が、ミュージシャンの心地よい音楽と美味しいお食事とともに豊作を祈ってお酒を酌み交わす楽しい会となっています。
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豊作を祈願する御田植祭は、古来日本では年中行事として広く地域で行われていたもの。

少子化の進む現代では、御田植祭に限らず、昔ながらの伝統を引き継いでいくことはとても難しくなってきました。

常陸太田自酒プロジェクトは、若い農家さん、蔵元さんが一丸となって地域を盛り上げていこうとする岡部さん・栗原さん・そして自酒プロジェクトメンバーの皆さんに、とても強い団結力を感じます。

本当の意味での地域創成とは、外からの移住を促進させるものでも観光誘致でもなく、半径数メートルの想いを共にする仲間と “ワクワク” 情熱を傾けるコトができるかどうか。そしてそれを弛まずに続けていけるかどうか。

そしてその想いに共感した人々がやがてファンになり、大きなムーブメントを起こしていく可能性が、ここ岡部合名会社の精神に宿っています。

飲んでくれる人がいるからこそ蔵がある

と初代が書き残した言葉は、「心を伝える」という蔵の理念となり、より多くの人々と心を通わせ・繋がることを祈り、【松盛】と【岡部】、そして【ご縁だね】を呑み、噛み締める日々です。

次回の記事では、岡部合名会社へサケメグリ(蔵見学)へ伺った際のレポートです。

お楽しみに!

 

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岡部 合名会社
おかべ ごうめいがいしゃ
OKABE Sake Brewery / OKABE Shuzō
代表:岡部 守博
創業:1875年(明治8年)10月
設立:1919年(大正8年)10月
住所:〒313-0038 茨城県常陸太田市小沢町2335
TEL:0294-74-2171
FAX:0294-74-2172
Web:https://www.matsuzakari.co.jp/
蔵見学:事前予約制
定休日:日曜、祝日、月2回土曜日
営業時間:8:00-17:00
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