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木内酒造株式会社とは

今から200年前、1823年(文政6)年に、常陸国鴻巣村の庄屋であった木内儀兵衛氏によって創業した木内酒造株式会社。

当時、木内家は、周辺の農家の米を年貢米として、水戸藩へ上納していました。

年貢米の余剰分を蔵に保管しておくよりも、お酒に加工・販売したほうがより効率的ではないかと考えた儀兵衛氏。

交流のあった会津商人から道具を買い入れ、酒造りを始めました。酒造りのため1年間に使用した米は、約20石。生産量は約4,000ℓほどであったそうです。

木内酒造の日本酒の主要銘柄は、

【菊盛】きくさかり / KIKUSAKARI

©️木内酒造

銘柄の由来は、儀兵衛氏の親交の深い仲間との縁から命名。

創業当時、江戸幕末の新しい思想、改革の時代。水戸は尊王攘夷思想が盛んでした。
その中心的な存在が水戸学者であった藤田東湖です。
(後に藤田東湖の甥に木内儀兵衛の妹を嫁がせ縁戚関係となります。)

また儀兵衛氏は、桜田門外の変の首謀者のひとりで幕末の水戸藩尊攘派である斎藤監物(けんもつ)や、天狗党の武田耕雲斎など水戸学を支えた志士たちと親交が深かったことから、彼らを支援するために皇室の象徴である“菊”が栄えることを願い、【菊盛】と命名しました。

 

日本酒からクラフトビール、そしてジャパニーズウイスキーへ

日本酒一本で明治、大正時代を乗り越え、1950年(昭和25年)に7代目社長の木内造酒夫(みきお)氏が家業を継承。

清酒にアルコールや砂糖を加える三倍増醸が発明され、全国的にコストの安い酒が大量に醸造されました。

終戦後の物不足の時代、醸造した酒は右から左へと飛ぶように売れました。

しかし木内酒造はあくまでも品質にこだわり、アルコール等を添加しない本物の醸造、純米による酒づくりを心がけていました。

造酒夫氏の次男で9代目である現社長の木内敏之氏が、大学卒業後、同社に入ったのはバブル真っ盛りの頃。

高度成長期に日本酒の売り上げは一時的に増えましたが、ビールや焼酎、ウイスキーが普及すると、1990年代半ば頃から日本酒の販売量は全国的に激減。

日本酒だけでは立ちゆかなくなる

そう感じた敏之氏(当時専務)は、国の規制緩和でビールの小規模生産が可能になった1996年(平成8年)秋、酒造の技術を活かし、ビール製造・販売を開始。

クラフトビール事業に参入し、これが大ヒット!

地ビールのフラッグシップブランドは、
【常陸野ネストビール】ひたちのねすとびーる / Hitachino Nest Beer

赤いフクロウのロゴでお馴染みの【常陸野ネストビール】は、米国を筆頭に、世界50か国以上で愛飲されています。

©️木内酒造

『ネスト “Nest” 』は、創業当時本社があった茨城県那珂市鴻巣の「巣」にちなんだもの。
ビールのイメージキャラクター『フクロウ』は、コウノトリ、アンコウを含む3種類の生き物から選ばれました。

2016年(平成28年)、ウイスキー製造免許を取得。

常陸野ネストビールの醸造所の片隅で、ゆっくりと、着実に、試行錯誤を重ね、2019年(平成31年)、常陸野ハイボールを発売。

2020年(令和2年)、筑波山の麓・茨城県石岡市須釜に「八郷蒸溜所」を構え、ウイスキーづくりに特化した単独の蒸溜所をオープン。

ウイスキーの主要銘柄は、
【日の丸ウイスキー】ひのまるウイスキー / HINOMARU WHISKY と命名。

©️木内酒造

2022年(令和4年)2月28日、アルコールの木内酒造合資会社と蕎麦など飲食事業と小売の株式会社那嘉屋を、すべて株式会社として整理・グループ化して組織変更。(以下詳細は、木内酒造HPより

法人

名称

所在地

TEL

FAX

機能

木内酒造(株)

(株)木内酒造 1823

(株)木内の蔵

酒出本社

311-0132

茨城県那珂市南酒出 808

029-212-5111

029-212-5115

本社(物流・営業企画・総務・人事間接部門拠点)

飲食事業本部

(株)木内酒造 1823

鴻巣酒蔵

311-0107

茨城県那珂市鴻巣 1257

029-298-1078

029-295-4580

和酒製造

 

額田醸造所

311-0133

茨城県那珂市額田南郷 2182

029-295-5151

029-295-5322

ビール製造

木内酒造(株)

八郷蒸溜所

315-0151

茨城県石岡市須釡 1300-8

029-956-7555

029-956-7444

ウイスキー製造

 

セントラル

キッチン

311-0133

茨城県那珂市鴻巣 1264

029-298-0444

食材加工センター

ビールやウイスキーの原料はすべて、製麦後の麦芽を調達。主に輸入麦芽を多用してきた木内酒造。

同2022年、廃業した石岡酒造の用地を取得。

原料品質の安定・向上を図るため、2023年6月に、麦を発芽させて麦芽にする製麦の自社工場を取得した用地に稼働します。

地元農家を主要調達先として、地域に根付いた本格的なジャパニーズクラフトウイスキーを発信していくそうです。

 

木内酒造へのアクセス、日本酒醸造蔵見学とビアバー

さて昨年、大規模な組織変更をした木内酒造ですが、日本酒醸造の場所は、創業地である茨城県那珂市鴻巣にあります。

私が最初に訪れたのは、いまから約6年前の2017年8月27日。

JR常磐線とJR水郡線を乗り継ぎ、常陸鴻巣駅から徒歩6分で到着する“鴻巣酒蔵”といわれる場所。
JR常磐線・水戸駅から常陸鴻巣駅までは直通で7個目の駅で、水戸駅から蔵までは約30分で到着です。

飲んで帰りたいので、車ではなく、電車での訪問をおすすめします!

趣のある玄関。

蔵内の見学はなく、パネルで醸造の様子を紹介のみでしたので、5分ほどで終了。

日本酒酒蔵の蔵見学ファンにとっては短時間で見学が終わってしまうので残念ですが、蔵の敷地内には、木内酒造が展開する蕎麦屋【蔵+蕎麦 な嘉屋】があります。

菊盛をはじめとした日本酒各種を味わいながら茨城名物・常陸秋蕎麦を堪能できるので、ぜひお昼前後の訪問をおすすめしたいです。

また、常陸野ネストビールのビアバーも併設されているので、灼熱の中、徒歩で歩いてきたけれど蔵見学できずにがっかりしていた私には最高の一杯でした!

こちらの鴻巣本店では、手造りビール工房があり、予約をすればオリジナルビールを造ることができます。
(お問い合わせはこちら

次回は、木内酒造が2020年、茨城県石岡市須釜にスタートした「八郷蒸溜所」へ見学に訪れたお話を記事にしたいと思います。

お楽しみに!

♦️関連記事♦︎
・「日の丸ウイスキー」木内酒造 八郷蒸溜所へいってきました!

 

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木内酒造株式会社
きうちしゅぞう  かぶしきがいしゃ
KIUCHI BREWERY / KIUCHI Shuzō

代表取締役:木内 敏之
創業:1823年(文政6年)
住所:〒311-0132 茨城県那珂市南酒出 808
TEL:029-212-5111
FAX:029-212-5115
Website:https://kodawari.cc
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