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私が茨城県内で一番最初に蔵見学を体験したのは、2017年7月のこと。
茨城県笠間市の磯蔵酒造さんでした。

当時、蔵の中をご案内してくださったのは、磯蔵酒造 5代目 蔵主 磯 貴太(いそ たかひろ)さん。

磯さんの地酒造りに対する考え方や表現に感銘を受けたことが、今も私の茨城地酒への探究心に繋がっています。

当時はサケメグリブログを開設していなかったこともあり、メモや写真をとることを忘れてしまい夢中で蔵の中を楽しんでいた私。

日本酒のコト、茨城県の地酒について詳しくなってきた今、もう一度お邪魔したいと、3年ぶりの蔵訪問へいってきました!

今回もおなじみ、磯 貴太さんです!
(磯さん大好き〜♪)

 

磯蔵酒造の場所と蔵までのアクセス

磯蔵酒造は、茨城県の県央〜西部にある笠間市の稲田(いなだ)地区にあります。

東京方面から電車で向かう場合、

東京駅からJR常磐線 特急ときわ・勝田行きに乗車し5駅。
勝田駅からはJR水戸線に乗り換えて、3駅で稲田駅に到着します。
稲田駅からは徒歩3分。

上記特急を使用した場合の所要時間は、約2時間10分、料金は3,600円程度、乗換は1回です。
普通車両を使用した場合の所要時間は、約2時間半、料金は2,000円程度、乗換は2回です。

 

自動車で磯蔵酒造へ向かう場合は、

1)常磐自動車道 水戸ICから約20分
2)北関東自動車道 友部ICから約15分
3)北関東自動車道 笠間西ICから約10分

の場所にあります。

東京駅から出発して笠間西ICで降りた場合の所要時間は、約1時間半となります。
近いですね〜!(県央はいいな・・・by縦に長い茨城県北民のヒトリゴト)

 

磯蔵酒造『稲里』の各種銘柄と使用酒米

 

磯蔵酒造の日本酒の主要銘柄は『稲里』(いなさと / INASATO)

 

稲里の主なラインナップは、以下の8種類です。

【 】は、酒造りのコンセプトが表現されたもので、ラベルのアイコンにもなっています。

書で表現されたコンセプトに想いを馳せながら味わってみると、笠間・稲田・磯蔵酒造の風景が感じられる一杯となるでしょう。

【山】 稲里 純米
【星】 稲里 純米吟醸
【天】 稲里 大吟醸山田錦
【月】 稲里 純米山田錦
【風】 稲里 大吟醸五百万石
【雲】 稲里 辛口
【土】 稲里 純米日本晴
【幽玄】稲里 純米熟成出荷

上記のように、四季を通して安定した味わいの「定番出荷」商品のほか、
火入れ、濾過、割水等の加工を一切行わず、しぼりたて原酒をそのまま瓶に詰めて出荷される「しぼったまんまの出荷」(ふな口無濾過生原酒)や、今年新発売の冷酒専用酒「颯爽涼酒」、創業150周年記念「ISOKURA 150 vintage The 平成 millennial blend」などがあります。

150 Vintageは、稲田石をモチーフにしたカートン。

 

磯蔵酒造で使用している酒米の約90%が、酒蔵が立地する茨城県笠間産。

主要酒米は、山田錦、ひたち錦、日本晴です。

その他約10%は、富山県産の五百万石や、ここ数年は茨城県産の愛山、吟のさと等が試験醸造されています!

そのすべてが契約栽培。

酒米生産者の顔が見え、米の生育具合を観察し相談できる契約栽培は、目指したい味わいを造る上で、たくさんのメリットがあります。

一方、今回の新型コロナウイルス感染症等の未曾有の災難が発生した場合に、日本酒販売が落ち込んだ際にも全量を買い取らなければならないという大変さもあります。

富山県の契約農家さんから仕入れている五百万石は、年内に翌年のお正月用の大吟醸酒を製造することや、太平洋側で不作や災害が起きた際にも酒造りができるようにと、20年程前から同業者の蔵元さんから紹介していただき契約しているそうです。

 

磯蔵酒造で最も使用されているお米「日本晴」とは

そんな磯蔵酒造にて、最も多く使用している酒米は、
日本晴(にっぽんばれ / Nipponbare)

【雲】 稲里 辛口
【土】 稲里 純米日本晴

最近の日本酒ブームの中では、日本晴という酒米品種は聞いたことない方が多いと思います。

しかし、昭和後期には最も多く栽培され、国内作付面積1位を占めていたお米であり、飯米としても食卓に並びます。

愛知県の農業試験場にて「ヤマビコ」「幸風」の交配により作出された品種が日本晴。

茎が丈夫で病気にも強く、関東から九州まで幅広い地域で作付けされていましたが、コシヒカリが登場してからは栽培量が減少している品種でもあります。

日本晴は、甘みがきちんとありつつも、スッキリとした味わいが特徴。

長年、稲里を愛している地元の方々が愛してやまない伝統旨口の【稲里】秀撰にも、日本晴が原料米として使用されています。

一般的には普通酒ランクに入る秀撰。

特定名称酒が流行である現代、廃盤も考えたそうですが、

“うまさ” というのは、酒蔵が押し付けるものではない。この味が一番!と言って下さる方々が地元にたくさんいる限り、造り続ける。

と磯さん。

そんな磯蔵酒造の酒造りは、「自分が造りたい味を再現していけるかを追求していく」スタイル。

時代の流れに迎合せず、目指す日本酒の味わいのイメージを描き、そこに酵母やそのほかの条件を決めていきます。

そんな蔵主・磯さんの心の奥底にあるマインドは「酒は人ありき」。

日本人の喜怒哀楽と共に生活に根ざした酒(蔵)を造り、

“造り手から売る人、飲む人までが顔が見え、酒が人の交わりのきっかけになれれば” と話します。

 

磯蔵酒造の蔵見学スタート!今回はじっくり&クイズコースで。

磯蔵酒造では、磯さんのクラスメイトだった石川博之杜氏を筆頭に、麹屋の鹿志村さん、営業の大内さん他2名、全員が地元に住む蔵人で酒造りを行います。

醸造はほとんどの部分を昔ながらの手作業で行います。

洗米は大半を手洗い、和窯で蒸し、丁寧に仕込みます。

協会酵母は使わず、「自社酵母」「茨城県産業技術イノベーションセンター培養酵母」「小川酵母」等を造りたい味わいに合わせて選択。

醪の搾りは、高級酒は袋吊り、他はヤブタとよばれる圧搾機を使用しますが、磯蔵酒造では、大吟醸もヤブタでしぼるときも。

 

それはなぜか。

その年の醪の力が弱いときには、袋で搾るよりも、あえて圧力をかけるヤブタで搾った方がいつもの味を保つことができます。

一方、米の成分が豊富な年や、思いの外溶けてしまって醪にあまりにも味がのっているときには、醪を押さないほうが良いため、袋でしぼるほうが「毎年変わらぬ目指す美味しさ」になると言います。

今年の醪が、ヤブタで押した方が良いのか、押さない方が良いのかは、造り手が考えること。

それを考えると、袋吊りにしたお酒が必然的に高価・高評価となる昨今のコンテストとは如何に・・・?

自分たちは「美味しさ」をつくっている。
酒蔵のこだわり、伝統、パフォーマンスで酒を売っているのではない。「味」を売っている。毎年そのお酒を飲みたいと思っているお客様へ提供するための安定した美味しいお酒をつくるということを最も大切にしています。

と、磯さん。

その磯蔵酒造が醸し出す【稲里】の特徴は、
「米の味と香り」を楽しめる、ライスィな濃くやや甘めのお酒

【稲里】の特徴を掴むためには、一杯目は、まず常温で。
二杯目は、酒の肴と一緒に、温度を少し上げて飲んで欲しいです。
米の香りが立ち始め、滑らかな味わいを楽しめる一杯になります。

常温が好みでなかった方は、温度を少し下げた涼冷え(15〜20℃)がおすすめです!

 

火入れは蛇管のほか、パストライザーも使用。

「吟醸」「生」と名のつくもの以外は、しぼったら緑色のタンクで一定期間、寝かせてから出荷。

「吟醸」「生」と名のつくものは、しぼったらすぐに瓶詰め、冷蔵・冷凍倉庫へ。

ブログ記事が長くなってしまうのでここでは割愛しますが、磯さんから出題されるクイズが結構難しい!けれど、とても学びが多く、楽しいので、蔵見学の際はぜひクイズのお願いをしてみてください♪( ´▽`)

 

 

ランチは笠間の隠れた名店・地産マクロビオティックなお蕎麦やさんへ

ランチは、「近くに美味しいお蕎麦やさんあるから行こう!」と磯さんが連れてってくださいましたヽ(´▽`)/

十割蕎麦とマクロビオティック料理の「そば家 和味(なごみ)」さんへ!

周辺が畑や田んぼに囲まれた場所に二階建ての一軒家がちょこんとあるのですが、7、8台停められる駐車場は満車。

メニューは、冷たいお蕎麦、温かいお蕎麦、そばがきなどの手づくり一品料理からオーガニックのおやつまで。

もちろん、日本酒「稲里」もあります♪

お蕎麦は、直接農家さんより玄蕎麦で仕入れ、毎朝、石臼で挽いた手打ち十割蕎麦。
つなぎを使わず水だけで仕上げます。
素材の旨みと風味を生かし、化学調味料・添加物は不使用。
前日までに予約すれば、そばつゆをヴィーガン・マクロビ(動物性原料不使用)対応もしていただけます。

オーナーご夫婦のお子さんが乳児性湿疹になったとき、食の大切さに気づき、縁もゆかりもなかった自然豊かな笠間に惚れ、引っ越してきたそうです。

私は、野菜天ぷら付せいろをオーダー。

地元で採れた野菜の天ぷらは、おかひじき、ズッキーニ、バナナ、しいたけ、パプリカ。
シンプルにお塩だけでいただきます。

特に、パリッパリのおかひじき、じゅわっとジューシーなしいたけの天ぷらがとても美味しい!

お蕎麦は、十割でも黒くないので、丸抜きのお蕎麦かも^^

細麺ですがコシがあって、噛めば噛むほど味わいのある食べ応えのあるお蕎麦。
最後は磯さんのおすすめで、そばつゆに蕎麦湯と七味を入れて噛み締めるようにお汁を嗜みました(*´-`) こんな味わい方があるとは…。

お蕎麦も天ぷらもオーナーご夫妻のお人柄がにじみ出る、とても優しくほっとする味わいでした。

(奥様しか写ってなかった!奥にご主人も。)

 

日本酒といったらお蕎麦。

磯蔵酒造へ蔵見学・稲里を購入した帰りに、
和味さんへのランチも訪れて、笠間を丸ごと堪能してみてくださいね( ´`)

 

→磯蔵酒造の歴史、仕込み水、蔵イベントに関する前回の記事はこちら。

 

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磯蔵酒造 有限会社
いそくらしゅぞう ゆうげんがいしゃ
ISOKURA SAKE BREWERY
代表:磯 貴太
創業:1868年(明治元年)
住所:〒309-1635 茨城県笠間市稲田2281-1
TEL:0296-74-2002
FAX:0296-74-4815
Web:http://isokura.jp
E-mail:info@isokura.jp
蔵見学:https://isokura.jp/tour.html
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