BLOG

森島酒造株式会社とは

今から約150年前の1869年(明治2年)に、水戸藩の武士であった初代・森嶋道正氏により創業した森島酒造株式会社(もりしましゅぞう / Morishima Brewery)。

茨城県の県北(けんぽく)地域のひとつである日立市の中でも北側に位置する川尻町に森島酒造の蔵があります。

川尻漁港の海岸線から直線で約30メートル(海まで70歩)の距離にあり、波の音が聞こえる茨城県内でも最も海に近い酒蔵です。

全国でも珍しい海沿いの土地で、夏は涼しく、冬暖かい気候が特徴の酒造り。

森島酒造では寒造りの際、醪をいかに冷やすかを念頭に酒造りを工夫し、浜風の影響なども考慮しながら貯蔵を行います。

約600坪の敷地には、この酒蔵のシンボルとも言える大小2棟の大谷石(おおやいし)造りの蔵が建ち並びます。

蔵を大谷石にした理由は、「火災に強いこと」「酒造りで重要な温度管理がしやすいため」と語るのは、森島酒造株式会社の杜氏・森嶋正一郎専務。

1945年(昭和20年)、森島酒造は太平洋戦争の戦火に巻き込まれ、蔵・家屋ともに消失してしまったことをきっかけに耐火性に優れ、強固な大谷石を採用し再建したそうです。

年間製造石数は、約600石。
一升瓶に換算すると約60,000本の日本酒を生産しています。

 

森島酒造の日本酒銘柄と銘柄に込められた歴史

現在、森島酒造の主要銘柄は、

【富士大観】ふじたいかん / Fiji Taikan
【森嶋】もりしま / Morishima

です。

森島酒造では昨年、2019年に自社ブランドの銘柄を大きくリニューアルしました。

©︎森島酒造

 

酒蔵として150年余の歴史を持つ森島酒造ですが、
創業した昭和初期の頃の日本酒銘柄は、

『快哉』かいさい / Kaisai
『元旦正宗』がんたんまさむね / Gantan Masamune

という縁起の良い名前で販売されていました。

 

全国の日本酒の銘柄で菊正宗、楽器正宗、徳正宗など “正宗” と命名する酒が多い理由のひとつとして、音読みにすると “せいしゅ” =清酒となるからという説があるそうです。

これは2017年9月に、私が初めて森島酒造の蔵見学に訪れた際に、森嶋専務の奥様よりお聞きしたお話です。

このように日本酒のテキストに掲載されていないお話は、私が企画するサケメグリに参加したからこそ聞くことのできる醍醐味です♪

 

1953年(昭和28年)の終戦後に、酒造りを再開した森島酒造は、日本酒銘柄を『大観』たいかん / Taikan と命名・リニューアルしました。

茨城県水戸市出身の近代日本画の巨匠・横山大観画伯が、親交のあった4代目・森嶋浩一郎氏に提案して実現したものでした。

日本画を描くため日立市から2つ北に位置する北茨城市の五浦に暮らしていた横山大観は、当時、森島酒造のお酒を愛飲していました。(相当な酒豪だったそうです…!)

ある年の新酒の味わいが非常に気に入り、『大観』という名をつけてはどうかと横山大観が森嶋浩一郎氏に提案したことから『大観』ブランドが誕生し、昨年までの約70年、地域の皆様に愛されて続けてきた森島酒造の代表的な日本酒となりました。

2020年になった現在は、【富士大観】【森嶋】と2種類の銘柄にブランドを統一し、森嶋正一郎杜氏の想いがたくさん詰まったシリーズとなっています。

 

茨城県初の南部杜氏資格取得・森嶋正一郎杜氏

森島酒造株式会社 6代目専務で杜氏を務める森嶋正一郎さん。

1975年1月、姉と妹の4人兄弟の長男として生まれ、現在45歳。

幼い頃から将来は酒蔵を継ぐつもりでいたという正一郎さんは、醸造学科のある東京農業大学に入学します。

大学卒業後は滋賀県の酒蔵で、能登杜氏のもと3年ほど酒造りの基本を学びました。

1999年、実家に戻り森島酒造株式会社に入社。

南部杜氏の下で、麹や酛を担当します。
正一郎さんは、自らも南部杜氏になるべく長年修行を重ねます。

南部杜氏とは、岩手県発祥の清酒造り職人のこと。
越後杜氏(新潟県)、丹波杜氏(兵庫県)と並んで日本三大杜氏のひとつとされ、洗練された酒造りの技を受け継ぐ職人を指します。

後継者不足による南部杜氏が廃れるのを防ぐため、1996年より岩手県外の出身者にも南部杜氏の資格の門戸を開いた南部杜氏資格。

ご実家の酒蔵の南部杜氏の下で酒造りを学び7年が過ぎた2006年(平成18年)、正一郎専務は南部杜氏試験を受け、なんと一発合格!
茨城県出身者では初めての快挙でした。

南部杜氏資格取得後も、ベテラン杜氏から学ぶ事が多く、引き続き酒造りに邁進。

自分の造りたい日本酒の方向性が定まった2015年より森島酒造の杜氏に就任し、茨城県内でも先駆けて、自社で杜氏を抱える蔵元(蔵元杜氏)となります。

2019年には茨城県で初めての試みとなる杜氏資格「常陸杜氏」の合格者第1号となり、現在、茨城県の酒蔵のトップリーダーとして走る森嶋正一郎専務。

2020年、専務が造りだす日本酒で、ご自身が最も好きなテイストを厳選した、日本酒【森嶋】。

自らの名字を新しいブランドとして発信してゆく森島酒造の日本酒造り、これから要チェックです!

→次回は、サケメグリ(蔵見学)に訪れたときのレポートをします^^

お楽しみに♪

――――――――――――――――――――
森島酒造株式会社
もりしましゅぞう かぶしきがいしゃ
Morishima Brewery
代表者:森嶋 鎮一郎
創業:1869年(明治2年)
住所:〒319-1411 茨城県日立市川尻町1-17-7
TEL:0294-43-5334
FAX:0294-43-5335
Web:http://www.morishima-sake.jp/
Email:sake-info@morishima-sake.jp
蔵見学:要予約(9:00-16:00、不定休)
――――――――――――――――――――