茨城県北地域を飛び出し、蔵見学を始めたSAKE MEGURI のHirokoです!
前編に引き続き、茨城県南地域・茨城県石岡市に存在する酒蔵『石岡酒造株式会社』へのサケメグリ(酒蔵めぐり)。
石岡市の副市長・根本博文さんよりご招待いただき、市長公室・秘書広聴課係長の片岡達也さんの運転で石岡市の酒蔵見学の旅へいってきました。
今回は、その後編。
前編は「蔵の概要、酒蔵見学」。
後編は「試飲させていただいた銘柄」。
としてレポートいたします!
蔵の中をご案内してくださったのは、石岡酒造株式会社の営業部・根崎頌之(Nobuyuki Nezaki)さんと冷水貴子(Takako Hiyamizu)さんです。
お酒の学習室で特別試飲タイム!
蔵見学をさせていただいた後は、お酒の歴史や製造工程が1日でわかる「お酒の学習室」へ移動。
こちらのお部屋で試飲させていただきました!
今回は特別に7種類の日本酒を試飲させていただきました!
1)純米大吟醸「筑波」豊穣の峰:限定品
2)ピュア茨城「筑波」ひやおろし:季節限定、特別純米生詰
3)筑波ぬーぼー。:季節限定
4)本醸造「壽山」ふな口の酒:限定品、しぼりたて・本生・原酒
5)生酒「筑波」:全量酒造好適米
6)純米吟醸酒「米音」:ひたち錦100%←今年新発売!!
7)14年古酒
ひとつずつ、解説していきましょう!
試飲させていただいた日本酒のご紹介
1)純米大吟醸「筑波」豊穣の峰:数量限定品
- 麹米、掛米、酒母すべて山田錦で、精米歩合は35%。
- 精米度は高いものの、キレよりもほんのり甘み・甘立香があります。
- 力強さとふくよかさを兼ね備えていて、煮魚や鍋料理がベストペアリング!
- 冷酒、常温(冷や)で味わうのがオススメ!
- 3年間の貯蔵熟成酒。
- 15% abv、日本酒度+3、酸度1.2、アミノ酸度1.1
2)ピュア茨城「筑波」ひやおろし:特別純米生詰
- 麹米、掛米、酒母すべて山田錦で、精米歩合は50%。
- 酒米「ひたち錦」、酵母「ひたち酵母」。
- 酸味抑えめで、どのような料理にも合わせやすい食中酒。
- 夏に熟成させ、旨味の増した原酒をそのまま生詰したお酒。
- 冷酒、常温(冷や)、ぬる燗で味わうのがオススメ!
- 17% abv、日本酒度+1、酸度1.6、アミノ酸度1.1
3)筑波ぬーぼー。:季節限定
- 新酒もありますが、今回は特別に3年熟成の純米吟醸を!
- 爽やかで穏やかな吟醸香。
- 舌を沿うような柔らかな甘みと旨味がありながらもサッパリとした口当たり。
- 日本酒初心者の女性が日本酒の入口として飲んで欲しいお酒。
4)本醸造「壽山」ふな口の酒:冬限定品、しぼりたて・本生・原酒
- 精米歩合65%、酒米は美山錦。
- お酒が強い女性が好むであろう日本酒。
- しぼりたてならではのフレッシュさ、フルーティーな吟醸香。
- ふな口ならではのピチピチ弾ける口当たり、キレ。
- 生原酒ならではのパワフルな味わい。
- 本醸造には思えない味わい…と思ったら、やはり吟醸向けの造りだった!
- 販売と同時に売り切れてしまうほどの冬限定の人気商品。
5)生酒「筑波」:特別純米、全量酒造好適米
- 麹米、酒母は山田錦、掛米は雄町、美山錦、五百万石。
- 精米歩合は58%。
- 米の旨味がぎゅぎゅっと引き出されている特別純米酒。
- 生酒特有のフルーティーさがありながらも淡麗辛口寄り。
- 15% abv、日本酒度+2、酸度1.0、アミノ酸度1.1
6)純米吟醸酒「米音」:ひたち錦100%←今年新発売!!
- KOME-OTO こめおと「米音」は、石岡酒造12年ぶりの新銘柄。
- 精米歩合50%。
- 茨城の好適米・ひたち錦をダイレクトに表現したような爽やかでスッキリした味わい。
- 和洋中のどのジャンルでもペアリングできそうな食中酒。
- カプレーゼをおつまみにしながらワイングラスでいかがでしょう。
- 冷酒がオススメ!私ならキンキンに冷やして飲みたい!
- 16% abv、日本酒度+2、酸度1.0、アミノ酸度1.1
7)14年古酒:ノーラベル
- おそらく「歳寿」の14年ものを今回特別に!(通常の歳寿は10年古酒)
- 鑑評会への出品酒としてエントリーする大吟醸。
- 斗瓶取り、-5度で瓶貯蔵。
- 原酒を14年以上、低温熟成。
- 普通の古酒だと老ねたような熟成香があるがこれは一切ない。
- バナナのような熟成香、丸みを帯びた味わい。
- 少しレモンがかった透明色。
一通り味わってまったりさせていただいていたら・・・。
特別なお酒、開けちゃいましょう!
えっ・・・(°Д°)!!
いいんですか・・・?
7)の14年古酒でも十分特別なのですがっ!
そして・・・!7)との違いが比較できるようにと、こちらの古酒も追加で特別に。
8)秘蔵 大吟醸10年古酒「歳寿」:数量限定
- 麹米、掛米、酒母すべて山田錦で、精米歩合は35%。
- 鑑評会への出品酒としてエントリーする大吟醸酒。
- 斗瓶取り、-5度で瓶貯蔵。
- 原酒を10年以上、低温熟成。
- 味の濃い料理にも負けないコシの強さ。
- 7)と比較し少し爽やかな早熟マンゴーのような熟成香。
- 冷酒、常温(冷や)で味わうのがオススメ!
- 17% abv、日本酒度+2、酸度1.2、アミノ酸度0.8
南部杜氏の技をを引き継ぐ石岡酒造。
南部杜氏といえば、フルーティーで濃醇甘口が特徴ですが、私が感じた石岡酒造株式会社の日本酒の特徴は、「淡麗ちょい旨口」。
もちろん個々の銘柄で味わいに違いがありますが、ひたち錦に代表される茨城県の風土の淡麗さと、南部杜氏にされる味わいの奥深さがミックスされた石岡酒造の日本酒。
地元に根付いた日本酒を醸造されていることが、蔵見学中のお話と8種類もの日本酒のテイスティングから感じることができました。
それぞれの銘柄によってペアリングの提案はできますが、「石岡市の地域の食材(地のモノ)をひとつ選んで国際唎酒師!」と頼まれたら、
「わかさぎの佃煮」
と私は提案します(*´-`)
近くに霞ヶ浦があることと、旨味が乗っているお酒が多いので、今回試飲をさせていただいた石岡酒造の日本酒におつまみを合わせるときには、ぜひ「わかさぎの佃煮」を選んでみてくださいね♪
石岡酒造株式会社 まとめ
日本酒の全盛期に10,000石を醸造。
1,800mlの一升瓶に換算すると、1,000,000本もの日本酒を製造していた蔵元さんだけあって、蔵の敷地スペース、使用している機材、倉庫それぞれがビッグサイズ。
1,300年前まで遡って歴史をたどることのできる石岡市。
石岡駅は県庁所在地である水戸駅に比べてとてもコンパクトで静かな街ですが、奈良・平安時代には常陸国の国府が置かれた都市であったため、長らく常陸府中(Hitachi Fuchu)や常府(Johfu)などと呼ばれていた石岡市。
茨城県名発祥の地でもあること。また石岡市に存在する「石岡」と名のついた酒蔵だけに、その規模は想像していたよりも大きく、茨城県北地域の酒蔵とは同じ県内でも似て非なる蔵でした。
酒蔵といえば山奥に存在するイメージですが、住宅地の中にあり、そして大規模蔵ながらも、雉(キジ)や鶯(うぐいす)と自然に共存する場所でした。
蔵人さんが描いたキジの絵がかなりお上手!
今回ご案内してくださった根崎頌之(Nobuyuki Nezaki)さんと冷水貴子(Takako Hiyamizu)のアテンドは、とても穏やかでほっこりと、そしてこれから石岡酒造が目指す日本酒造りを垣間見れた蔵見学となりました。
休日なのにアテンドいただきありがとうございましたー🙏
石岡酒造では、蔵見学をさせていただくことは可能ですが、会社へ直接お電話して日程のご相談などしてみてください。
(試飲は今回特別でしたので、試飲できるか氣になる方はお電話にてお問い合わせください。)
石岡市の歴史とともにめぐると石岡地酒の奥深さに気づく旅になりますよ☆
p.s.
今期の造りから、根崎さんが杜氏になるそうですよー!
♦︎関連記事♦︎
・【県南酒蔵見学】石岡酒造株式会社へサケメグリにいってきました!-前編-
追記:
新型コロナウイルス禍による資金繰り悪化のため、2022年6月廃業。
酒蔵の土地や建物は、木内酒造合資会社(那珂市)へ売却され、ウイスキーの事業拡大が予定されています。
――――――――――――――――――――
石岡酒造株式会社 / Ishioka Shuzo
代表取締役社長:冷水 豊国
設立:1972年(昭和47年8月)
住所:〒315-0031 茨城県石岡市東大橋2972
TEL:0299-26-3331
FAX:0299-26-4408
Web:http://www.ishiokashuzo.co.jp
E-mail:sake@ishiokashuzo.co.jp
蔵見学:可能(電話にて要予約)。
※希望日・希望時間・人数等の詳細については要相談
――――――――――――――――――――