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茨城県北地域を飛び出し、茨城県内の蔵見学を始めたSAKE MEGURI Hirokoです!

茨城県西地域(Western IBARAKI area)・茨城県筑西市に存在する酒蔵『来福酒造株式会社』へのサケメグリ(酒蔵めぐり)。

私が2018年に東京都内の日本酒バーで開催したマリアージュセミナーがきっかけで茨城酒ファンになってくださった“The GATE 水天宮前の明子さん”と“寫眞家の年孝さん”との酒蔵見学の旅へいってきました。

今回はその後編。

→前編はこちら。

 

花酵母「来福」ワインの特徴

実はワイン醸造もしている来福酒造。
創立300周年を迎えた年からワイン醸造を始め、今年で3期目。
毎年8月中旬から醸造に入ります。
清酒酵母の花酵母(東農大分離株)でワインも醸造。

茨城県内のブドウ、主につくば市、笠間市、結城郡八千代町で生産されたブドウを使用しています。

赤ワイン醸造で一番多く使用するブドウは、日本の野山に自生する山ぶどう「行者の水」と「メルロー種」を交配育種した品種「富士の夢(Fuji-no-yume)」。
アントシアニン・ポリフェノールが豊かで濃厚な赤品種です。その他には、カヴェルネ・ソーヴィニョンやメルローを使用。

白ワイン醸造では、「行者の水」とフランス・アルザスやドイツで多く育てられている「リースリング」の交配品種である「北天の雫(Hokuten-no-shizuku)」。リースリングも使用していますが、北天の雫の評判がとてもよく、今年のSAKURA AWARDS2019でシルバー賞を受賞してます。

→RAIFUKU WINE SUNRISE 2018 /Silver

 

ロゼもあります。

 

最終的に商品の味わいの影響度として、技術が8割といわれる日本酒、ブドウが8割といわれるワイン。

亜硫酸耐性があるか、栄養が極端に少なくても発酵できるか、強い酵母じゃないとダメかなどの研究が必要。
そのため、文献を読み、業者さんに聞き、社員同士で情報共有して試行錯誤中しているそう。
今回、蔵内を案内してくださった醸造エンジニアの加納さんは、福井県に研修いったこともあるそうです。

白は人気すぎてすでに完売しました!

スパークリングガスを注入する機械。

写真を撮影し忘れてしまったのですが、パッションピンクに塗装されたタンクがありました。
来福の女性社員さんが塗られたものだそうですが、なかなかに自由で素敵です♪
(社長にNG出されないのですねー!)

 

チャレンジャーな10代目 藤村社長の素顔

最新設備への惜しみない投資と、ワイン・リキュール・焼酎など日本酒以外のアルコール醸造への展開を行う来福酒造株式会社 10代目 藤村俊文社長。

藤村社長と最初にお会いしたのは、2年前に参加した国連大学青山で開催された「AOYAMA SAKE FLEA」。

その際、茨城県北ビジネスコンペティションで、「茨城県の酒蔵をタクシーでめぐる旅の企画でコンペでプレゼンしようと思ってます!」とお話しして名刺をお渡ししたのですが、口数が少なくちょっと怖そうなシャチョーさんだなぁという印象がありました。

今回の蔵見学も、本来であれば来福Websiteから蔵見学申込をしなければならなかったのですが、藤村社長と親しい方(私の本業での繋がり)からのプッシュもあり、直接をご連絡をしました。そしてできれば藤村社長とお会いしてお話聞きたいですとお伝えしたところ、当日、宿泊されていた岩手県から急いで戻ってきてくださったー泣。
(お忙しいのにわがままですみません!とても優しいシャチョーさんでした!怖いとか全力であやまりますm(_ _)m)

 

藤村社長のこだわりと挑戦は、醸造だけでなく販売も。

徹底的にこだわった来福の日本酒を、一番良い状態で消費者まで届けたいという想いで、現在はスーパーには販売せず、日本酒専門店と一部百貨店に販売。

販売するにあたっての営業活動は社長自ら飛び込み営業。
事前に訪問する専門店を調査し、全国営業すること5年近く。
全国縦断途中に見つけた専門店へはアポなし突撃!

「出会えばご縁」と話す藤村社長の活動の末、現在は北は北海道から南は沖縄県まで(高知県を除く全都道府県)来福があります。
商談が決まれば、直発送。

海外は、国内の酒屋さんの輸出部をもっている業者を通じて、台湾、香港、シンガポールを中心に、アメリカ・EUなどに輸出しています。

 

そして他の酒蔵と比較して、小さいサーマルタンクが多い来福。

日本酒の販売需要が「量より質」の流れがきたタイミングで、大きいタンクをほとんど廃棄。
代わりとして小ロットのサーマルタンクにする大改革を藤村社長が行いました。

その背景には、「ラベルだけ取り替えるPB(Private Bland)はやりたくない。」という想いから、タンク1本1本への愛情と挑戦を試行錯誤しながら楽しむ藤村社長のワクワク感が伝わってきました。
(一升瓶100本単位からオリジナル日本酒が造れるので婚礼など特別な日の贈答用に造っていただいても良いかもしれません♡)

数ある「酒米×酵母」の組み合わせは、杜氏(佐藤明氏)と社長で決めるといいます。

“この米ならこの酵母に合わせるとお互いに良いポテンシャルが出てくるのでは?”
とそれぞれの「らしさ」を追求した酒造り。

現在取り扱う酒米はなんと24種類!
藤村社長が全国行脚の中で面白そうな酒米を購入。

使用する酒米で一番多いのは、茨城県の酒米・ひたち錦。
その次に多いのが愛山(Aiyama)、山田錦(Yamada Nishiki)、
吟風(Ginpu)、神力(Shinriki)、八反錦(Hattan Nishiki)など。

藤村社長が来福酒造へ帰ってきたのは20年前ほど前。
その頃から純米吟醸クラスが最も多く、現在8-9割が特定名称酒となっています。

また、来福はフレッシュな吟醸のイメージがありますが、生酛も醸造しているそうです。

来福酒造の蔵には、ほぼ外では販売していない、こんな商品も!

『Coming Happiness』

直訳すると「来福」!

季節品は英語のラベルで販売しています。

現在、来福酒造では通年雇用の社員さんが10名、パートさんが5-6名。

見学中にお会いした社員さんから藤村社長について話を聞いてみると、
試してみたいことは「やっていいよ」と背中を押してくれ、たとえそれが思うようにいかなくても「また次に活かそう」と社員の意見を尊重してくださるそう。

醸造家としての知識の豊富さと、社長としての知見の広さからの適時投資をする才覚。
徹底的にこだわりながらもワンマンではなく、社員のみなさんへの愛といばらき地酒への愛に溢れた藤村社長でした。
(初見で無口だと思っていたのですが、話したら止まらない社長・・・!時間たりないです。)

 

来福酒造株式会社への蔵見学予約。

最新設備が次々と出てくる来福酒造のサケメグリ。

蔵見学ご希望の方は、ブログ下のURLよりお問い合わせください。
(お問い合わせで確定ではないので注意です。)

 

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来福酒造株式会社 / Raifuku Shuzo Co.,Ltd
代表取締役:藤村 俊文
創業:1716年(享保元年)
住所:〒300-4546 茨城県筑西市村田1626
TEL0296-52-2448
FAX0296-52-6448
Webhttp://www.raifuku.co.jp
蔵見学:下記HPより問い合わせ。
https://raifuku.co.jp/tour
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