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茨城県北の酒蔵をめぐる旅の企画「SAKE TAXI」では、酒蔵と酒蔵を点で結ぶだけではなく、それぞれの酒蔵が代々受け継がれてきた伝統や蔵創立の歴史的背景を通して、県北地域のルーツを学ぶ旅の提供ができたらと考えています。

先月末、常陸太田市にある酒蔵さんへ、コンペ受賞後の報告と今後の私の活動や、事業への想いをお伝えしようと蔵へお伺いしました。

蔵元に最初にお会いしたのが昨年の11月、今年2月のコンペ受賞後から4ヶ月も経過してしまい、だいぶご報告が遅れてしまって恐る恐る尋ねてみたのですが、とても暖かく迎えてくださいました。

「お昼を食べながらお話しましょう。」とメールをくださり、2時間くらいで解散かなーと予想していたところ、冒頭の私の想いと蔵元の想いがリンクして、「それじゃ地元を周ってみよう!」と営業の方の運転で地元を巡ることに!

 

西金砂そばの郷 そば工房 でランチ

金砂郷(KANASAGOU:旧金砂郷村)といえば、常陸秋そばの有名な産地。

常陸秋そばは旧金砂郷村の在来種を選別し、不良形質を淘汰しながら生まれた品種で、その折りに作付けされたのがそば工房のある赤土町。

赤土町は、いわば常陸秋そばの生まれ故郷なのです。

その品質は押し並べて優秀で、今では県内全域を始め、近隣の県でも栽培されるようになりました。

その中でもこの付近一帯の旧金砂郷村や旧水府村で収穫される蕎麦は別格。

連れて行ってくださった蔵元さんも、出張で訪れた長野県で信州そばを食べている時に、出身地を聞かれて答えたら、「信州そばの蕎麦は金砂郷のそばには敵わない。」と言われたとのこと。
(帰宅して私の父に話したら、先日長野へ訪れた父もお蕎麦やさんで「蕎麦の実は金砂郷から仕入れいていると言われたそうな。)

昔は、ここ金砂郷地域では蕎麦の実は栽培されていたけれど、地元で食される機会は少なかったそうです。

我が家でも蕎麦の実を作っていた時期がありますが、枝から実を手でほぐしたり、棒で叩いたりするのが本当に手間がかかる食べ物で、食べるまでにゴールが見えずにふてくされた小学生時代があります。笑

それほど手間のかかるお蕎麦。

そんな稀少な玄蕎麦を自家製粉して打っているのがこちらの
「西金砂そばの郷 そば工房(NISHIKANASA SOBA-NO-SATO  SOBA KOBO

県道から細い道に分け入り、山里の長閑な風景が広がる道をしばらく進むと到着します。

人家も少なく山と畑に囲まれた閑静な一帯。駅からは遠いので車(もしくはタクシー!)で行くしかありません。

地元の奥様たちで運営され、経営母体はJA。店内は田舎らしく、広々とした空間の中で、左に囲炉裏のある大テーブル、その奥が調理場、テーブルの横にはガラス越しに大きな電動石臼が回っています。

 

店舗はモダンな和風建築でとても広い!

客席は、4人掛け小上り座席×11。囲炉裏テーブル、11席で計56席。

石臼コーナーで蕎麦の実が砕かれるのを見ながら15分くらい待っていると、優しそうなおばさまが持ってきてくださった野菜天ぷらもりそば!

(なんということでしょう、肝心なお蕎麦の写真を撮り忘れました!笑)

お蕎麦はよく締められた極細打ちですが、切りむらがなく、しっかりとかみごたえがあるお蕎麦。

打ち立ててすぐということもあるかもしれませんが、蕎麦の香りと強い風味が心地よく、またおつゆが絶品!

蕎麦=麺が命のようなところありますが、おつゆ命ですです。マチガイナイ。

蕎麦湯は新鮮で香ばしく、蕎麦と同様にとてもおいしいです。

田舎の中のそれも山奥。客層はというと、意外にも若い方や家族づれも結構いらっしゃる。
囲炉裏テーブルは、風情があって、都会のお子さんたちは感動するんじゃないかな。
冬はこの囲炉裏で鍋をするみたいですよ。

こちらのお店では、剛烈富永酒造店さんの「そば焼酎」や、常陸太田市産の古代米を発酵させ豆乳ブレンドした「米発酵アイス」も販売されています。

そば打ち体験もできるそうなので、SAKE TAXI の体験ツアーに入れたいなぁ。

体験の所用時間は約40分。
家族連れやグループが多く、新そばのシーズンには、1日12~13組(約40~50人)が利用するといいます。

蔵元さんからは、(この場合はお店ではなく個人の方へ依頼するようですが→)蕎麦の実を畑に蒔く体験もできるよーという体験話、そばオーナー制度等のお話を伺いながら、次の訪問先へ蔵元さんとの旅はつづきます。(次編もお楽しみに!)

ブラタモリっぽくなって来たぞ٩( ‘ω’ )و

ちなみに、そばに含まれる「ルチン」という成分が、ビタミンCの吸収を促進するためアルコール分解物質としての機能があるそうです!

二日酔いになる前に、そばを食べてから飲み会なんていう歴史があったりして。

さすが酒蔵がたくさん存在する常陸太田市と常陸秋そば、何かここにも深い歴史がありそうです。