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東京大学の5月の学園祭である「五月祭(Gogatsu-sai)」。

2019年で開催がなんと92回!

東京大学勤務の知人に誘われて、農学部 生命化学・工学専修4年生が企画する「利き酒イベント」にいってきました!

農学部 生命化学・工学専修とは

東京大学 農学部 生命化学・工学専修は「農2(Nouni)」と呼ばれ、前身は農芸化学科として明治初期から創設された由緒ある学科です。

ビタミンB1の発見と日本最大級のバイオ系学会の一つ「日本農芸化学会」を創立した鈴木梅太郎や、発酵・醸造に関する世界的権威の一人で「酒の博士」として知られた坂口謹一郎など多くの著名人を輩出しています。

1学年約80名という農学部の中で最も多くの人数が所属しており、個性豊かなメンバーが集まる、和気あいあいとした学科だそうです。

学生実験で日本酒を造ることや、頻繁に飲み会が開かれることから、お酒好きの人が多く集まる「お酒の学科」として知られています。

3年次に講義と学生実験を行い、基本的な農芸化学の知識と実験手法を身に付け、4年次に研究室へ配属されます。

各研究室で扱う分野は様々ですが、総じて様々な生命現象を解明し、その成果を役立てるために日々研究に取り組んでいるとのこと。

農2で扱う分野は、植物・土壌、食品・動物、有機・天然物、微生物・酵素、基盤と大まかに5つの分野が存在し、新領域創成科学研究科も含めて、合計38ラボと多くの研究室があります。

その農2が企画する「利き酒」イベントは、なぜ毎年開催されているのでしょうか。

農学部 生命化学・工学専修が企画する「利き酒」イベントの目的

農2が「利き酒」イベントを企画する目的は2つ。

1)日本酒文化の発展に貢献すること
2)利き酒体験を通して日本酒の深淵へ誘うこと

「利き酒」は農2の4年生にとって学科全体での最後の行事であり、日本酒は農学部 生命化学・工学専修が専門とする農芸化学の「果実」。

「酒は天からの美禄」ということわざがあり、日本酒は「蔵元という人」と「微生物」の賜物という考え方のもと研究されているそうです。

利き酒で提供する日本酒は、東京大学とご縁のある方を中心に、全国各地の蔵元より寄贈していただいた日本酒とのこと。

全国約120蔵からの寄贈で、茨城県からは
県北地域の根本酒造株式会社【久慈の山】と
県南地域の合資会社浦里酒造店【霧筑波】の
2蔵の寄贈がありました!

利き酒イベント参加までの流れ

最初に、農学部正門入ってすぐの案内所にて、「アルコールパスポート」を入手。

アルコールパスポート発行は無料ですが、成人であることが確認できる顔写真付き身分証明書の提示が必要となります。

アルコールパスポートがないと整理券を受け取ることができないので、必ずGETしてください。

その後、農学部2号館1階入り口付近の整理券の発行場所へ。

整理券と案内を受け取ります。

利き酒イベント開始まで時間があったので、整理券発行場所すぐ隣にある「利き酒 展示」のブースへ。

この展示では醸造の主役である酵母や麹菌などの微生物を顕微鏡で覗くことができ、日本酒を学問的に捉えることにより日本酒醸造について深く知ることができます。

パネルには、日本酒醸造実験、官能試験、日本酒の作り方や日本酒はどのようなものなのかなど、日本酒の基本的な知識をキャッチアップすることができます。

整理券番号で場所が指定されているわけではなく、並んだ順番で座席が決まるということで、利き酒開始15分前に早速利き酒部屋前に並びました。

前の時間が押しており、10分オーバーでスタート。

集合時刻から10分を過ぎると入場できないことがあるそうなのでご注意ください!

 

利き酒イベント開始

最前列に着席!

1コマ20-30分。1部屋あたり約100名。

4年生のサトウさんの司会進行で、挨拶が始まりました。

両面アンケートの3分の2ほど記入を済ませた後、農学部 生命化学・工学専修についての説明、利き酒企画についての説明、提供日本酒銘柄についての説明が続きます。

提供日本酒は4種。

私が参加した回の日本酒4種はこちら↓
・萬歳楽 白山 純米大吟醸(株式会社小堀酒造店/石川県)
・霧筑波 特別純米 吉沼米(合資会社浦里酒造店/茨城県
・純米吟醸 粒粒辛苦(谷櫻酒造有限会社/山梨県)
・月桂冠 THE SHOT 大吟醸(月桂冠株式会社/京都府)

「自由に試飲どうぞ」と言われ、目の前のプラカップの日本酒を利き酒している間に、
・並行複発酵とは
・特定名称酒の区分
・精米歩合40%と70%ではどちらが高値となるか、それはなぜか
などの説明がありました。

説明が終わると、今回提供されたそれぞれの日本酒の特徴(というより、蔵元がこだわっている点)の説明。

最後に、QRコードによるMayFesAwardsへの投票のお願い。

こちらLINE使用者対象のみでした~!

最後にアンケートの残り約3分の1を埋めて終了。

蔵元から日本酒を協賛いただいたお礼として、アンケートは蔵元へフィードバックされるそうです。

利き酒イベント感想

日本酒の醸造や微生物の研究というと「東京農業大学」と思っていたのですが、東京大学でも専門があり利き酒イベントしていると聞いたときは驚きました。

1コマ20-30分しかない中で、よりたくさんのお客様に日本酒や微生物のことを知ってほしいというところかと思いますが、日本酒についてある程度知識がある人からすると、ちょっと物足りないかなぁと思いました。

利き酒をするにあたり、
・なぜこの4種類を利き酒の日本酒として選んだのか
・それぞれの微生物や酵母が提供された日本酒の味わいにどう影響しているか
など知ることができたら、より深く発見できることもあったかなぁと思いました!
(「東京大学」ということでかなり期待値高めですみません(>人<;)!)

今年で83回目の「利き酒」企画。

4年生となる学生さんたちがみんな楽しそうでちょっぴりうらやましく拝見しつつ、大学の周りをお散歩してから構内を後にしました。
(散歩にしては広すぎ〜!て、途中からタクシーに乗車。)

私も大学時代、一度くらい文化祭行けばよかったなぁ(*´-`)
(行ったかもしれないし、行かなかったかもしれないし・・・謎。)

それではまた~!

P.S.
東京大学の浅野キャンパス、本郷キャンパスの一部、農学部のある弥生キャンパスの一部が水戸藩駒込邸であったこと、ご存知でしたでしょうか?
深掘りすると探究心が止まらなそうなので、この辺で♪

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