BLOG

野村醸造株式会社とは

野村醸造株式会社は、1897年(明治30年)茨城県常総市本石下(もといしげ)にて約130年酒造業を営む老舗酒蔵です。

初代・野村清作氏はもともと麹屋を営んでおりましたが、余剰米の利活用を考え酒造業を始めました。

主要銘柄は、

紬美人(つむぎびじん / Tsumugibijin)】

©︎野村醸造

以前は、「天盃(てんぱい)」という銘柄でしたが、常総市(旧結城郡石下町)が、結城市と並ぶ紬の産地であることから、2006年に現在代表取締役を務める6代目・野村一夫社長によって【紬美人】として銘柄がリニューアルされました。

同じ常総市の山中酒造店さんの記事でもご紹介しましたが、石下というエリアは、1,000年以上前から蚕をほどいて紬を絹織物にしてきた街。

古くから麻・絹・綿の織物が盛んな場所で、絣(かすり)に特徴のある「いしげ結城紬」の伝統を継承しようと、茨城県結城郡織物協同組合がその役割を担っています。

蚕の繭から糸を繰り出し、撚りをかけて丈夫な糸に仕上げてできあがった紬のように、熟練した職人の技を古くからの技法で美しい日本酒へと完成させてゆく美しい紬のような日本酒【紬美人】。

「天盃」という銘柄であった創業から100年ほどは、茨城県が派遣要請を行う杜氏集団制度を利用した、新潟県の越後杜氏による酒造りでした。

先代社長の時代から岩手県の南部杜氏を採用。1999年までは南部杜氏を5名抱えての酒造りでしたが、他蔵での経験を持つスペシャリストが複数存在したことによりその経験が災いし、野村醸造らしい個性が埋もれてしまったといいます。

そこで、野村一夫社長は、野村醸造が目指す酒造りのため、2000年より南部杜氏の梅澤努さんを中心に据え、筑波大学を卒業し蔵入りした副杜氏と地元従業員による3名の少数精鋭での新しい酒造りをスタートしました。

現在は、梅澤杜氏と下妻市から通う有泉さんのお二人で約200石の日本酒を醸造しています。

野村醸造株式会社は、酒造業に加え、奈良漬、わさび漬、揚げおかき、ジャム、リキュールなどの生産販売のほか、蔵の古民家を改装したカジュアルフレンチレストラン「BRASSERIE JOZO(ブラスリージョゾ)」の運営もおこなっています。

 

野村醸造の杜氏は、南部杜氏協会・会長の梅澤努さん

野村醸造株式会社の杜氏を務めていらっしゃるのは、杜氏歴40年の南部杜氏・梅澤努さん。

現在60歳の梅澤さんは、1993年(平成5年)より野村醸造の杜氏として採用され今年で27年目。2020年より一般社団法人南部杜氏協会(2020年現在:会員641名)の会長に就任されました。

梅澤さんは、南部杜氏発祥の町とされる岩手県紫波群紫波町(しわちょう;盛岡の南部にある町)で農家の長男として生まれました。

ご実家は稲作のほか、林檎や葡萄の果樹栽培を行っている大規模農家。将来は、ご実家の農家を継ぐ予定でした。

梅澤さんが20歳になった頃、酒蔵の杜氏をしている親戚から「人手が足らないので手伝って欲しい」と酒造りのアルバイトに誘われたことが本格的に酒造と携わるきっかけとなり、夏は農業、冬は酒造りという二足の草鞋生活を送ることになります。

26歳で南部杜氏資格を取得。

岩手県盛岡市の清酒「あさ開」を製造する株式会社あさ開に勤務していた頃、野村醸造の社長と出会います。「とりあえず1年だけでも良いので、酒造りをお願い出来ないか。」と社長から懇願され、33歳の秋に単身茨城へ向かいます。

野村醸造で造りを始めた頃は、盛岡弁と茨城弁がうまく通じずに大変苦労したそうです。

真面目な性格できっちりと仕事をこなし、野村社長と二人三脚で歩んできた20年超。

野村醸造での杜氏7年目の2000年、『大吟醸・紬美人』が全国新酒鑑評会で栄光ある金賞を受賞しました。その後も5度の金賞を受賞します。

2017年にはフランスの地で行うフランス人のための日本酒コンテスト「KURA MASTER」の純米部門で最高賞のプラチナ賞を受賞しました。

 

近年、日本酒業界では、杜氏集団の派遣を廃止する傾向にあります。

農業に従事する若者の数は減り、農閑期に酒蔵に働きに来る人が減ったこと。

そして地元に住む蔵人や蔵元自身を社員やアルバイトとして雇用し、蔵元杜氏による酒造りに切り替えないと、酒蔵は生き残ることが厳しい時代となりました。

主な原因は、日本人の日本酒離れの加速と、ここ近年においてはそもそも飲酒に対する心離れにより、日本酒を造っても売り切ることが難しい時代。

このような環境下で、近年、幾度となく襲う災害に見舞われながらも、南部杜氏と地元蔵人のたった2名で尊いいばらき地酒を造る野村醸造の酒造りは、どのような特徴があるのでしょうか。

次回に続くブログ記事にてその造りの特徴や蔵見学で拝見した酒造りの道具、蔵のある場所について解説していきたいと思います。

♦︎関連記事♦︎
【県西酒蔵見学】野村醸造株式会社へサケメグリにいってきました!

 

――――――――――――――――――――
野村醸造 株式会社
のむらじょうぞう かぶしきがいしゃ
Nomura Brewery Co., Ltd.
代表取締役:野村 一夫
創業:1897年(明治30年)
設立:1954年(昭和29年)
住所:〒300-2707 茨城県常総市本石下2052
TEL:0297-42-2056
FAX:0297-42-8998
Web:http://www.tsumugibijin.co.jp
蔵見学:事前予約制
定休日:日曜日、祝祭日、正月、お盆
営業時間:8:00-17:00
――――――――――――――――――――