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前編「株式会社西岡本店をご紹介いたします!」からの続編です!

蔵見学当日、土砂降りの雨の中にもかかわらず、優しい笑顔で迎えてくださったのは、社長で8代目当主・西岡勇一郎(にしおか ゆういちろう)さん。

西岡社長自ら、蔵の中をご案内してくださいましたー!

 

西岡本店の場所と蔵までのアクセス

【花の井】(はなのい / Hananoi)が主要銘柄の西岡本店は、茨城県の県西地区に位置した桜川市(さくらがわし / Sakuragawa city)の南側にあります。

桜川市は、筑西市、つくば市、石岡市、笠間市、栃木県真岡市、栃木県茂木市、栃木県芳賀郡益子町に隣接しています。

筑波山の麓にあるため、複数の路線のどの最寄駅からもタクシーで約20〜40分ほどかかります。

そのため、西岡本店の蔵見学へ訪れたい場合には、①自家用車で②タクシーで友人たちと③真壁やつくばの観光含めたタクシーツアー等での来蔵がおすすめです。

参考までに、周辺の駅や観光地から西岡本店までのおおよその所要時間を書いておきますね^^

1)JR水戸線+降車後タクシー ご利用の場合
岩瀬駅→(15分で)雨引観音→(15分で)西岡本店
下館駅→(25分で)西岡本店

2)真岡鐵道(関東鉄道常総線)+降車後タクシー ご利用の場合
下館駅→(25分で)西岡本店

3)TXつくばエクスプレス+降車後タクシー  ご利用の場合
つくば駅→筑波山の脇を通り(45分で)西岡本店

4)JR常磐線+降車後タクシー ご利用の場合
神立駅→筑波山を越えて(45分で)西岡本店

5)北関東自動車道 でご利用の場合
桜川筑西IC → (20分で)西岡本店

6)常磐自動車道 でご利用の場合
土浦北IC → (40分で)西岡本店

ご覧の通り、いわゆる「陸の孤島」ともいうべき僻地(°▽°)ニシオカサンスミマセン!

と思っていたところ、西岡社長より新しいルート情報をキャッチしました!

7)TXつくばエクスプレス+降車後バス  ご利用の場合
つくば駅→つくバス(60分)で筑波山口→桜川市バス “ヤマザクラGo”(20分) で旧真壁小学校前→(徒歩3分)西岡本店
※TXつくば駅から旧真壁小学校前までは、500円!

8)JR水戸線+降車後バス ご利用の場合
岩瀬駅→桜川市バス “ヤマザクラGo”(45分)で旧真壁小学校前→(徒歩3分)西岡本店
※TXつくば駅から旧真壁小学校前までは、なんと200円!

Google map等では出ない情報、さっすが西岡社長ありがとうございます( ´ ▽ ` )♪

さて、そんな西岡本店さんの蔵の内部をさっそくサケメグリです!

 

西岡本店の蔵見学スタート!

西岡本店の蔵の特徴は、

  1. 麹室、ボイラー、タンクなどとにかく設備が大きく、工夫が随所に!
  2. 製麴は蓋麹、箱麹、天幕式、天幕式の変則使用(大箱のように使用)の4つの方法を造りたい日本酒によって使い分け!
  3. おしゃれな蔵ギャラリーがありアーティスティックな雰囲気!

 

一般的な日本酒造りを軽くおさらいすると、
①精米→②洗米→③浸漬→④蒸米→⑤製麴→⑥酒母、醪造り→⑦仕込み→⑧上槽→⑨澱引き→⑩濾過→火入れ→貯蔵→割水

とゆくわけですが、今回の西岡本店の蔵見学は、なんといっても広いので、蔵の門に近い場所から、
⑤製麴(麹室、ボイラー室)→④蒸米(分割こしき)→⑦仕込み(タンク)→⑧上槽(ヤブタ)という順番で見学しました。

 

西岡本店では、10,000石弱の日本酒を造っていた30〜40年前の頃の設備をいまでも大切に使用しています。

最初にご案内いただいたのは、酒造りで最も重要な工程を行う麹をつくる部屋の「麹室」。

天幕式製麴機を利用して、一回で最大約700kgの蒸米を引き込みます。(吟醸酒の場合は、約300kg)

製麴は、木製の麹蓋(こうじぶた)を使用する在来法の「蓋麹法」、盛りまで<床期間>はすべて大きな床(とこ)を使用。

そして盛り以降を木箱に移す「箱麹法」、そして天幕を箱のように使用したりと、造りたい日本酒によって製麴方法を使い分けています。

 

前日に天幕で包んだ山を切り崩し、切り返し機を使い、上記の製麴のために米を移していく「盛り」の作業。

この時、ものすごい量のお米が宙を舞うそうです。

そこで、こちらを・・・

この洗濯バサミは何に使うかお分かりでしょうか?

最初これを拝見したとき、他の蔵見学でみたことがなかっただけに、

なんじゃこりゃ・・・(°Д°)!!
っと驚きましたが、この絶妙な長さができるだけ多くのお米をキャッチするために重要なのです。

正解は・・・?

切り返し機からベルトコンベアでお米を運ぶ際に、お米が飛ばないように、カーテンのように布を吊すためにこの洗濯バサミが取り付けられています。

そしてこの麹室で製麴を行うためには、室温を上げる必要がありますが、西岡本店では、製麴室をボイラーからの蒸気で室全体を温めています。

ボイラーでお湯を沸かし温めた蒸気は、配管で外から麹室の中へ繋がっており、麹室の壁伝いに行き渡った配管の熱で、麹室全体を温めており、40-45℃まで上げることができるそうです。

麹室の天井にはダクトがあり、温度や湿度の調整は、送風機や天窓で行います。

麹室を出ると、出麹後に枯らしを行うための大きな棚が並びます。

網の張り替えを行いながら、昔ながらの道具を大切に使用しています。

 

続いて、ボイラー室へ。

麹室からは、少し離れた場所にありました。

1967年(昭和42年)に設置されてから50年以上もの間、西岡本店の酒づくりを支えてきたボイラー設備。

1台数十万円程度でポチッとボタン押すだけの現在の主流となっている最新版ボイラーは、免許なしで使用できますが、西岡本店のボイラー設備は、一級ボイラー技士の資格を有していないと使えない代物。

この1機で最新版ボイラーの5機分くらいの蒸気を一気に焚くことができます。

茨城県内の蔵では他に類を見ない相当容量が大きいボイラーを持っているのが特徴です。

西岡本店では、日によって異なりますが、造りの時期、早朝にボイラーを焚き始め、米を蒸し終えた9:30頃にはスイッチを切りますが、大容量の窯には、麹室の暖房用以外にも布類の洗濯や道具の殺菌用、瓶詰め時の加熱殺菌などのためにボイラーは一日中蒸気を出し続けてくれるため、様々な熱源として利用できるのが特徴です。

最新のボイラーのスイッチポンのお手軽感には大敗ですが、仕込の朝の点火儀式は、その日の酒づくりへのヤル気と緊張感を盛り上げる最高のイベントです。

と西岡社長は語ります。

ボイラーで作った蒸気は、スチームクリーナーで綺麗にした後、熱が必要な場所へ運ばれていきます。

とても広い敷地の西岡本店。

最初に拝見した麹室と、次に拝見したボイラー室は、離れており、麹室とボイラー室の間に、蒸米を行う場所があります。

一度に約700kgの米を蒸すことのできる「分割コシキ」の下部にはローラーが付いており、蔵人2人がかりで麹室まで運びます。

700kgものお米を輸送する際、一般的にはエアシューター使いますが、300kg程度のお米を輸送する場合には、運ぶ過程でお米が冷えすぎてしまうため、西岡本店では「分割コシキ」を使用します。

分割コシキは、タイヤ付きのため、蒸したお米の温度を保ったまま麹室手前まで移動させ、そこから手作業で室への引き込みを行います。

移動ができる分割コシキは、新設備の導入等その時々で自由自在に必要なスペースを確保することができるというメリットもあります。

 

次にご案内いただいたのは、この場所の通路挟んだ裏手側。

巨大タンクと醪を搾るヤブタの部屋があります。

タンク上部に手すりのある屋内の巨大タンクは、茨城県内の蔵見学では、初めてみたかも。

なんと総米7トン!使用するそうです。

巨大な仕込みタンクは胴体に冷水を循環させることができ、それ以外の仕込みタンクについては、醪の中に投入するタイプの冷却器(冷水循環による熱交換器)で温度管理をしています。

 

そして、タンク脇には、醪を搾るためのおなじみヤブタ式の圧搾機(以降「ヤブタ」)。

ヤブタには、3穴の「A型」と、2穴の「B型」があり、西岡本店ではA型を使用。

A型の「圧搾板」「濾過版」を交互に入れて並べていくと中にパイプが2本通った状態になります。

右上と左下の穴から同時に醪を入れていくのですが、左下の穴の方から早めに入っていき、左下から入れる抵抗が強くなってくると右上から多く入るようになります。
右下の穴から、搾ったお酒が出てきます。

空気圧で圧搾された醪は、液体だけが下に落ち、落ちた液体は右下の穴に集まり、ヤブタの傾斜によって待ち受けタンクに垂れていきます。

外側の黒い溝を伝って、三角形の穴から美味しいお酒がジワジワと流れて1カ所に集まります。

西岡本店では、品種にもよりますが、醪を入れてから空気圧をかけない時間を設けて、自然に垂れてくるものをとることがあります。(最終的には空気圧により搾りきります。)

また、最初から空気圧をかけて搾るものも、タイマー設定によって徐々に空気圧を上げていき、醪に過剰な負担がかかって雑味が出てこないように搾っています。

ヤブタの絶妙な角度が後々、別のスケジュールにも影響してくるため、かなり計算されて設置されていました。

絞られて板についた白い塊は、もちろん酒粕です!

 

それにしてもこの圧搾板、1枚なんと25kg!

大人2人がかりでヤブタに板をつけていくわけですが、つけた後も下から上に向かって袋をかぶせて、袋が下につとんと落ちてしまわないように1針1針縫ってゆくのです。

最新のヤブタは1人で作業ができる樹脂板で軽く、袋もパチンとボタン式のものがありますが1枚なんと約20万円…!

日本酒造りはとてもかっこいいイメージはありますが、こんな地道な作業の先に美味しいお酒が手に入るのです!

ビールもワインも美味しいけれど、日本酒ほど手間とお金のかかる飲み物で地域に密接に結びついているものはないと思っています。

それなのに日本酒業界の価格設定は全体的に安すぎる〜!

日本酒を地酒を愛飲する方々が増えてくれれば、きっともっと面白い挑戦が各蔵でできるはず。

本当に大変な業界ですので、西岡本店さんの【花の井】を筆頭に、飲んで応援よろしくお願いします(*´・ω・)ノ゙。゚

 

蔵内売店の奥に存在する米蔵を活かした蔵ギャラリー

さて、蔵の内部の見学は一通り学びましたので、花の井の売店へ!

センスが溢れる売店店内。

売店にあるトンネルをくぐっていくと、なんと素敵な蔵ギャラリーがありました。

以前は玄米を精米するため精米機等が置かれていた玄米蔵。

現在は、この場所を無料開放し、ギャラリー展示場所として提供しています。

殺風景な街中のビルの一角よりも、酒蔵の白壁の土蔵蔵だからこそのかっこよさが、作品の素晴らしさをより際立たせていますよね^^

「屋根より低い鯉のぼり」と題して例年5月の節句前後に開催している鯉のぼり展示の際に伺いました。

「花の井 純米酒 アマビエラベル」を描いた菊池理香さんによる、実寸アマビエ チョークアートは繊細でとても美しかったです。

参加されているアーティストさんのInstagram IDを以下に載せておきますので、ぜひのぞいてみてください♪

そして、売店の出口に差し掛かると、若かりし頃の倍賞千恵子さんが花の井一斗瓶を持ったポスターが。

現在80代くらいの方の話によれば、「倍賞千恵子さんが【花の井】PRのため、テレビCMに出演していた」とか。

どなたかその動画(VHS?)をお持ちの方いらっしゃったらぜひ西岡本店さんまでご連絡をお願いいたします!

 

近年、作家さん達とのコラボイベント、真壁高校との酒造りのほかにも、クラウドファンディングサイトReady for を利用した『カモス真壁project』(茨城県桜川市真壁に魅了されたヨソモンと地元を愛するジモミンによる「楽しい体験」を通して真壁を紹介するproject)など、異業界との交流を通じて、新しい価値観を取り入れる西岡本店さん。

日本酒を醸すというシチュエーションだけではなく、若い世代の方々を巻き込んで、酒造りの楽しさや地域の素晴らしさを伝えていく西岡本店【花の井】を、今後も、注目して飲んで応援してくださいねヽ(´▽`)/

→前編「株式会社西岡本店をご紹介いたします!」もぜひご覧ください♪

 

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株式会社 西岡本店
かぶしきがいしゃ にしおかほんてん
Nishioka Honten Inc.
代表取締役:西岡 勇一郎
創業:1782年(天明2年)
住所:〒300-4411 茨城県桜川市真壁町田6-1
TEL:0296-55-1171
FAX:0296-54-1310
Web:http://hananoi.jp/
蔵見学:http://hananoi.jp/the-tour(事前予約制)
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