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前回の記事、【県西酒蔵見学】萩原酒造株式会社をご紹介いたします!からの続編。

2023.5.14、蔵へ訪問した際のレポートです。

ご案内してくださったのは、取締役専務で、7代目の萩原 康久さんです。

 

萩原酒造株式会社へのサケメグリ

萩原酒造株式会社の代表銘柄【徳正宗】。

清酒・日本酒のほか、清酒粕を使用した長期熟成焼酎等を製造しています。

普通酒が約7割、特定名称酒と焼酎、清酒リキュールで約3割。
R3BYで、約800石の製造数量を誇ります。

従業員は11名+南部季節雇用の蔵人1名ですが、造りは萩原専務含め3名で行います。

原料米は、

  • 兵庫県産 山田錦
  • 茨城県産 山田錦
  • 岡山県産 雄町
  • 長野県産 美山錦
  • 茨城県産 ひたち錦
  • 茨城県産 ふくまる
  • 茨城県産 日本晴
  • 茨城県産 コシヒカリ
  • 加工用米

を使用し、現在は美山錦を使用した清酒を最も多く醸造していますが、出羽燦々を最近使い始めたそうで、香りが出てすっきり味や旨みが乗るそう。

多品種生産を行う萩原酒造の主要銘柄「徳正宗」。
萩原専務に、徳正宗の特徴をお伺いしてみると、

飲みやすく、香り高すぎない、すっきり、旨口、キレのよい食中酒

飲み飽きしない酒、食べながらずつと一本で行ける酒

を目指して一本一本仕込んでいらっしゃるとのこと。
(鑑評会出品酒を除く)

また、「この先チャレンジしたいこと」を伺うと、

米はいつか全部境町のものでやってみたい

とのこと。

精米は、茨城県と群馬県にある精米所に委託。

洗米は、ウッドソンMJPバッチ式を使用。

浸漬は、200ℓの半切りに3、4個ずつ入れて、浸漬後に脱水。

蒸しは、甑と連続蒸米機を使い分け。甑は最大で 500kg蒸すことができ、蒸し時間は60分。一方、連続蒸米機は最大700kg蒸米でき、蒸し時間は50分。

麹は、一室に床、大箱3つあり、パネルヒーターで加熱。純米750kgの麹は中箱で。室の殺菌は、オゾン殺菌をこまめにかけます。オゾン水を作る機械もありハイテクでした。
 

白ネットのところは、麹の枯らし場です。

酒母は、すべて中温速醸。一本高温糖化乳酸菌添加酛。普通酒は酵母仕込みで酒母立てなし。
酒母室は冷蔵になっており、壁はウレタン吹き付け使用。

使用酵母は、以前はK149号系酵母も使用していましたが、現在はThe IBARAKIの、小川酵母、M310、SYS。

醪の管理は、仕込みタンク:サーマル4本(750kg)、開放タンク10本(1,500kg)を使用し、振動密度計で分析・管理。醪の様子を見ながら朝、夕に櫂入れを行います。

通常の上槽は、見た目「ヤブタ式」ですが、「I.S.式 100段」を使用。
茨城県内の酒蔵さんでは初めて拝見した搾り機です。

大吟醸のみ、袋吊りで行います。

私が今まで拝見したヤブタ式の板はステンレス製ですが、萩原酒造さんのI.S.式 100段は、板がプラスチック製。

搾り機って宝くじ一等くらいのお値段するみたいです・・・!ひょえぇ〜!

ラベルは一升瓶だけ機械で貼り付け、小瓶はは手張りです。

洗瓶は、1時間で750本できるそうです。

こうやって改めて酒造りを一通り製造工程をじっくり拝見すると、一本のお酒の中に様々な素材の選択と高価な機械が使われており、また温度管理やその年にできた作ってみないと判明しない性格の不明瞭な酒米を仕込むって本当に大変なお仕事だと思いました。

それを毎年、同じ味わいに寄せるって益々高度な職人技じゃないとできないこと。

そんな萩原酒造さんでは、現在約40種類の銘柄のお酒を造っています。(ほんとすごい、わたしゃ混乱するー!)

 

萩原酒造株式会社の商品銘柄

 

もしかしたら抜け漏れあるかもしれませんが、私が調べた品目とコメント掲載します。

【徳正宗】シリーズ

  • 純米大吟醸:純米ながらのコクと味わい、大吟醸のキレとフルーティーさが特徴
  • 純米大吟醸「極匠(きょくしょう)」:IWC 2023 金賞受賞
  • 大吟醸:上品な香り、滑らかな口当たり、ワイングラスでおいしい日本酒アワード2023 最高金賞受賞
  • 大吟醸「極匠」:山田錦35%精白、茨城県産酵母、少量生産
  • 吟醸原酒:芳醇でまろやか、上品な香り、水割り・ロック・ストレートお好みで
  • 吟醸酒「酒丸(さけまる)」:フルーティー、やわらかな口あたり
  • 吟醸 美山錦:東京農業大学にて専務同期が開発した9号系新酵母を使用、酸が少なめで深い旨味がキレ良し
  • 純米原酒「河岸花火」:白麹とワイン酵母で醸した甘酸っぱさが特徴の低アルコール原酒
  • 純米酒「さかい河岸」:酒井町の契約農家で作ったお米の純米酒
  • 純米酒「逅(めぐりあい)」:ふくよかな味わい、なめらかなのどごし、冷ややぬる燗で
  • 純米酒「昔造りの酒」:米・米麹のみで低温発酵させた無添加清酒
  • 純米吟醸 「農(みのり)」:純米ならではの米の旨み、スッキリとした味わい
  • 純米吟醸「SPARKLING SAKE “SHIRO”」:白麹を使用したシュワシュワ瓶内二次発酵のスパークリングサケ
  • 純米吟醸 生酒「蔵なま」:ピュア茨城
  • 純米吟醸 生原酒「あらばしり」:ひたち錦+県産酵母、無加圧しぼり
  • 純米吟醸 美山錦:濃厚、熟成感高い、燗に合いそう
  • 純米吟醸 ひたち錦:米のうまみ、甘みを感じるまろやかな口当たり、スッキリした後味
  • 純米吟醸 雄町:微かに感じる酸味がお肉や油っぽいお料理に合う
  • 純米吟醸「思い出桜」:フルーティーな吟醸香、薄い桃色の透明瓶がとても可愛い♡
  • 純米吟醸「ひやおろし」:豊かな香りと円熟の深くまろやかな味わい
  • 普通酒「宝船」:七福神と祝の文字が特徴のデザイン
  • エリート:エチケットの上にある “Elite” の赤いシールが目印
  • 上撰:「河童の里 うしく」ラベルverもあり
  • 本醸造「初しぼり」生原酒:Alc.17%
  • 特別本醸造:IWC 2019 入賞酒
  • 純米樽酒
  • 長期熟成酒「徳ノ刻 Premium〜toku-no-toki〜」:10年以上低温熟成中

【萩原】シリーズ

  • 吟醸:美山錦特有のスッキリとしたキレのある味わい、刺身やトマト料理等さっぱりした和食との相性◎
  • 純米酒 山廃純米:植物由来乳酸菌の微かな香りと酸味が特徴、チーズなどしっかりした食との相性◎
  • 純米吟醸 :口当たり軽く、程よい酸味が味を引き締め幅広いお料理に合う食中酒

【その他ブランド】

  • 純米大吟醸 酒母しぼり「Rei」: 暑い夏でも飲みたくなる甘酸っぱくもすっきりとしたお酒
  • 純米吟醸「けの川」:鬼怒川の別名

【焼酎・リキュールなど】

  • 焼酎「PURE LADY」:”秘酎”のシールが気になる…!Alc.25度
  • 焼酎「金もくせい」:境町のシンボルツリー、地域に愛される酒をと命名、Alc.25度
  • 長期熟成焼酎 27度「樽」:シェリー樽貯蔵、深くまろやかな味わい、徳正宗の清酒粕を使用した単式蒸留焼酎
  • 大吟醸焼酎 20度
  • リキュール「徳ノ刻 二十」(トクノトキ):アルコール度が高くキレのある味わいなのに柔らかな旨味と甘さを含んだ香りがあとを引くお酒

主な販売先は、茨城、東京、埼玉、千葉、栃木、群馬県内の、酒類小売店、道の駅の約1,000店舗。
営業時間中であれば、蔵元販売所でも購入することができます。

また、萩原酒造のホームページにオンラインショップがあります。
蔵直送の新鮮なお酒を味わいたい方はオンラインショップからがおすすめ。

低温貯蔵の「徳ノ刻二十プレミアム」はオンラインショップのみ販売しておりますので要チェックです。
(本ブログの最下にURL掲載しています。)


“X” SPARKLING SAKE “SHIRO” 映像
おすすめの瓶内二次発酵のSHIROのシュワシュワを“X”にてご覧ください!

 

萩原酒造株式会社へのアクセス

1)自動車で訪問する場合

東京駅から東北自動車道経由し、久喜白岡ジャンクションから茨城県方面へ。
境古河インターチェンジで降りて萩原酒造へ向かいます。所要時間約1時間少々。

常磐自動車道経由の場合には、谷和原インターチェンジで降りて、利根川を左手に見ながら北西方面に進みます。
東京駅からの所要時間は、約1時間30分です。

2)高速バスで訪問する場合

東京駅八重洲南口より、境町高速バスターミナル行で約1時間半。
バスターミナルから萩原酒造まで徒歩約20分。

私のおすすめは、車での訪問です!

 

今回初めて猿島郡境町に訪れて知りましたが、境町周辺は、田んぼがとても多い地域。
関東一、ふるさと納税でお米が売れているそう。(こしひかり食べ比べセット)

境町の2023.7.1時点の常住人口は23,856人(県統計課「茨城県常住人口調査」)。
第一次産業の就業人口割合は、7.45%(総務省統計局「国勢調査」2020)。

境町は人口減少が進んでいますが、自治体発の自動運転バスを導入したり、道の駅がおしゃれで充実していたり(道の駅さかい)、人工サーフィン施設(citywave)があったりと、ここ数年で様変わり。子育て世代には人気が出そうな街だなと感じました。

お酒を知るということは、地域を知るということ。
セットで学ぶと、よりそのお酒に愛着が湧いてきます。

普段は、蔵見学を実施していない萩原酒造。
今回は特別にご案内いただきました。

萩原酒造の蔵見学に行ってみたい方は、蔵に直接お問い合わせしてみるか、旅行会社や日本酒イベント団体がツアーを企画している時がありますので、探してみてくださいね。

それでは!

♦︎関連記事♦︎
・【県西酒蔵見学】萩原酒造株式会社をご紹介いたします!

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萩原酒造株式会社
はぎわらしゅぞう  かぶしきがいしゃ
HAGIWARA BREWERY / Shuzō

代表取締役社長:萩原 康成
創業:1855年(安政2年)
住所:〒306-0433 茨城県猿島郡境町565-1
TEL:0280-87-0746
FAX:0280-87-0893
営業時間:9:00-16:30(12:00-13:00は昼休憩)
定休日:
土曜・日曜・祝日(夏季期間中)
第2第3土曜・日曜・祝日(冬季)
Website:http://tokumasamune.com
オンラインショップ:
https://tokumasa.shop-pro.jp
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