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The GATE 水天宮前の明子さん”と“寫眞家の年孝さん”とめぐる茨城県の酒蔵見学の旅。

茨城県西地域(West IBARAKI area)・茨城県結城市に存在する酒蔵『株式会社武勇』へのサケメグリ(酒蔵めぐり)レポです!

 

株式会社武勇までの道のり

<上野駅からの場合>
JR
宇都宮線の上野駅から宇都宮行に乗車し、17駅で小山駅でJR水戸線に乗り換え。
JR
水戸線の小山駅から2駅で結城駅(Yuki Station)へ到着。
普通列車で乗り換え1回、1時間50分ほどで最寄駅に到着することができます。

結城駅北口からは徒歩約10分。

今回、同じ結城市にある結城酒造株式会社の見学に行っていた私たち。

結城酒造から武勇までは徒歩2-3分だったので歩いていくつもりがシトシトと雨が降ってくるではないですか( ´Д`)!!!

ちょっと遅れますと明子さんが武勇の深谷さんへお伝えしたところ、車でお迎えに来てくださる厚待遇!ありがたき…….( ̄ 人 ̄) 特別でございました。

 

株式会社武勇とは

株式会社武勇は、江戸時代末期の1867年(慶応3年)創業。
今年で150年以上続く老舗酒蔵です。

株式会社武勇の主力ブランドは、社名と同じで、
武勇BUYŪ:ぶゆう)

その他の銘柄として、
武勇酒蔵BUYŪ Sakagura:ぶゆうさかぐら)
武勇 辛口純米酒BUYŪ Karakuchi Junmaishu:ぶゆうからくちじゅんまいしゅ)
智仁武勇Chichin Puipui:ちちんぷいぷい)
NAGOYAKA:なごやか)

などがあります。

武勇という名前の由来は、読んで字のごとく、「武士のように勇ましいお酒」からきているそうです。

今回、蔵見学のご案内してくださったのは、酛屋の深谷篤志さん!

昨年11月の 関東信越国税局 酒類鑑評会で品質評価員を務めた凄腕の方なのですが、勇ましいというより、とてもホッとする優しい篤志さん^^

最初に玄関を入ると、国の登録有形文化財になっている風情のある客間スペース。

事務所スペースを横目で通り過ぎると、木樽の蓋がテーブルになった場所で、武勇が取り扱っている精米・玄米のサンプルの説明を受けました。

使用原料米は、兵庫県産の山田錦、岡山県産の雄町、富山県産の五百万石、地元茨城県産のひたち錦をお酒の種類ごとに使用割合を変えて使用しています。

業者さんに精米を依頼したほうが良い状態で仕上がってくるといわれるものの、自分の蔵で精米したほうが米の柔らかさがわかるため、自社精米。

仕込水は、鬼怒川水系の伏流水を用いて、蔵の敷地内にある約150mの井戸より水を汲み上げ、武勇独自の精密濾過装置を通して一年中安定した量と安全な水質を確保。

鬼怒川水系の水が軟水の為、発酵はゆっくりとした低温で進み、きめの細かいお酒になりやすいそうです。

株式会社武勇では、10月~翌3月の半年間で酒造り。
5月まで片付けをして一通り造りの時期が終了。

年間の生産石数は、およそ600石。

パート雇用はなく全員社員で通年雇用8名。

代々越後杜氏系の流れを継いでいましたが、越後商人の杜氏さんが引退するとき(平成元年頃)に、保坂大二郎専務が蔵に戻り、平成8年より地元結城杜氏の手で酒造りを行なっています。

専務が戻ってきたタイミングで社員制への切り替え、通年雇用で三季醸造、設備への大幅な投資が実行され、今ある設備はその当時のものが多く揃います。

釜のある部屋も同じ年くらいにできたもの。

釜の製造は、中川製作所さん。
蔵の減少に伴い職人さんが減っている中、全国の酒蔵の釜戸を製造を支えている貴重な釜屋さんによって造られたもの。

釜を入れる床穴の部分は、熱に強いセラミックがレンガのように綺麗に貼られていました。

株式会社武勇には、川崎祐二さんという造り手さんがいらっしゃって、川崎さんが釜の底にセラミックを貼ったり底部の繋ぎ目を接着させたり、水を送るホースも地面に引いたら邪魔になると動線を確保して上に吊ってみたりと武勇内の工事は、川崎さんが全て直してしまうのだとか!

そしてこちらの櫂棒も、川崎さん作。

修理ではなく、新作です。

なんの形だかわかりますか・・・・?

実は、、、、、、

 

 

筑波山なんですって!!!!

 

(全然わからんかった・・・( ´Д`))

 

寒い中、重労働で大変な酒造りに、ちょっとした遊び心が素敵♡

酒造りのお仕事をする前のお仕事が、修理等関係だったため道具の修繕が得意なのだそう!

 

そして釜場には、焼酎の蒸留機もありました。
焼酎は1日で20リットルの原酒のみの醸造。

ここから外に出ると、煙突。

2011年の東日本大震災でこの結城市もだいぶ揺れたそうですが、地盤が硬かったため、煙突は折れずに現存してました。
煙突が長ければ長いほど、火力が上がり、自然の気圧差だけで空気を動かすそうです。

壁にお札が・・・!

剥がれている古いお札もなぜか風情があります。

 

製麴室は、平成10年に建て替えたもの。

武勇では、甘酒も造っているのため麹室は一年中使用しているそう。

手前の部屋で保湿をし、奥の枯らし部屋で乾燥させ、出麹。

武勇の製麴室は、「天幕式麹室(てんまくしきこうじむろ)」。

お米を蒸した後、床に乗せ、翌日に隣の棚へ移動します。
棚に移した蒸米の上全体に白い布を覆いかぶせますが、この布を天幕といいます。

天幕の中で麹を造るので、天幕式麹室といいます。
天幕の中に、この黒いコードのOST温度計を入れて、麹の温度を測ります。

棚台は巨大な水槽のようになっており、水槽と幕の中で蒸米につけた麹菌が育っていき、麹米が完成します。

空気が循環しやすいように壁の四隅の角に木を埋める工夫も。

20年以上経過していても、オゾンによる除菌消臭などにより、ものすごく清潔に管理されていて、「これはとても美味しいお酒ができるわ~(*´ω`*)」と納得の室内でございました。

次にヤブタ部屋。

ヤブタはもともと空調の効く部屋の中に入っていて、オールステンレス板なので、一般的なヤブタと比較してゴム臭が出ないそうです。

ただし、1枚あたり70-80kgあるのだそう・・・。
成人男性1名分(°Д°)?

 

次に酛造りですが、木桶はないため、ステンレスタンクで酛を造るそうです。
生酛造りの酛すりはそこまで難しくないですよーと篤志さん。

♦︎関連記事♦︎
・【県西酒蔵見学】株式会社武勇の日本酒の特徴と飲み比べ!-後編-

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株式会社武勇 / Buyu Shuzo
代表取締役:保坂 嘉男
創業:1867年(慶応3年)
住所:〒307-0001 茨城県結城市結城144
TEL0296-33-3343
FAX0296-33-3368
Webhttp://www.buyu.jp
E-mailsakagura@buyu.jp
蔵見学:可・電話か以下ネットにて要予約
https://buyu.jp/tour/
営業時間:9:00-17:00
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