2019年7月9日(火)19:00~21:30に、FBOアカデミー東京校で開催された熟成古酒のペアリングイベントに参加しました!
FBOアカデミーとは
FBOアカデミーとは、飲食サービス業に従事するプロフェッショナルから一般の愛好家まで、幅広く飲食サービス業におけるプロフェッショナル育成を目的としてイベントやカリキュラムを提供している組織です。
母体となっている特定非営利活動法人FBO(料飲専門家団体連合会)が2013年に、これまで行っていた会員向けセミナーや教育プログラムを、より多くの方々が参加できるようにFBOアカデミーとして開設。
FBOは、Food&Beverage Specialists Organizationの略。
NPO法人FBOでは、
飲食に関する
- 調査研究事業
- 情報を広く告知する広報事業
- 人材育成事業
- イベント等の開催による普及啓発活動
- 資格基準の策定、公表及び認定・公認事業
を活動内容の骨子としており、認定・公認資格には、日本酒においては唎酒師、日本酒学講師、酒匠。
日本酒のほかには焼酎唎酒師、ワインコーディネーター/ソムリエ、チーズコーディネーター、コーヒー&ティーアドバイザー、中国酒類鑑定士、シガーアドバイザーなどがあります。
日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)へも提携加盟団体となっており、唎酒師の資格もFBOで取得支援しています。
私が所持している資格「SSI 国際唎酒師」の資格を管理運営している団体は、SSI INTERNATIONAL(略称:SSI INT’L) になります。
SSI 国際唎酒師の資格取得がきっかけで、FBOアカデミーの存在を知り、久しぶりに面白そうなイベントを見つけたので、今回、平日夜でしたが、参加してきました!
開催場所は、FBO アカデミー東京校(文京区小石川1-15-17 TN 小石川ビル 7F)。
都営三田線 春日駅から白山通りを北へ向かって徒歩6分のベージュ色の建物です。
熟成古酒とは
まず、熟成古酒とは「満3年以上蔵元で熟成させた、糖類添加酒を除く清酒」として定義されています。
熟成古酒はそれぞれ「淡熟タイプ」「中間タイプ」「濃熟タイプ」の3種類に分類されます。
この熟成古酒の定義をしているのは「長期熟成酒研究会」。
長期熟成酒研究会では、熟成古酒の製造に関する技術交流と市場の開発を目的とした酒造会社による任意団体として昭和60年(1985年)に設立。熟成古酒の復興と研究に夢とロマンを託す酒造会社、酒類流通業、酒販店、飲食業など有志の集まりとして、現在も活動を続けています。
ところでこのブログをご覧の皆さん、熟成古酒って興味ありますか・・・・・?
熟成古酒の存在はご存知でしたか・・・・・?
私が日本酒初心者レベルの頃を思い返すと、熟成古酒に触れる機会は・・・
レベル1)居酒屋で日本酒飲む→まず透明な日本酒の味の違いがわからない
レベル2)日本酒バーにいってみる→純米と非純米の日本酒が少しわかったつもりになる
レベル3)唎酒師の勉強したくなる→熟成古酒の存在を知る
レベル4)複数の蔵見学訪問→熟成古酒なかなか出てこない、稀に出会うけど興味わかない
レベル5)日本酒を深く追求する→熟成古酒を探して飲むけれど苦手意識が取れない←イマココ!!!
これはあくまで飲食サービス業に携わっていない私Hirokoの経験ですが、熟成古酒を深く知りたいと思うまで、約4年かかり、そしてまだ熟成古酒の未来の可能性について全く未知の世界。
「燻製っぽい」「香り強烈」「長く飲み続けることができない」「料理の風味を邪魔する」
そのように感じており、どこかできちんと熟成古酒について研究会の設立の経緯など学んでみたいと思っておりました。
熟成古酒は、以前の発想で言うと「売れ残り」。
大型の冷蔵庫などない明治以前は、熟成古酒はちまたにありふれていたそうです。
長期熟成酒研究会と日本吟醸酒協会は、1980年代前半、ほぼ同時に団体として設立されたそうですが、文明の開花・三種の神器登場により、時代は爽やかでフルーティーな吟醸酒が主流となったそう。
しかし、熟成古酒も熟成することを前提に研究をすれば、面白い味わいのあるアルコールとして提供できるのではと研究会メンバーは考えたそうです。
今回は、その長期熟成酒研究会協力による、熟成古酒と料理のペアリングイベント。
これは、長年疑問だった熟成古酒について新しい発見が得られるのではないかと、迷わず参加ボタンをポチッと押して申し込み!
熟成古酒セミナーの料理とのペアリング
FBOアカデミーにて開催される熟成古酒セミナーは、今回で6回目。
長期熟成酒研究会協力のもと、熟成古酒の正しい知識と提供方法を学び、サービス・セールス時に役立てることや熟成古酒を深く学びたい日本酒愛好家への情報提供が目的。
セミナータイトルは、
熟成古酒の正しい知識、正しい提供方法を学ぼう
「熟成古酒の魅力に迫る!VOL.6」
熟成古酒を活用して新たな顧客を開拓しよう~料理とのペアリング検証編~
ゲスト講師に南部隆保氏(株式会社南部醸造場代表取締役社長)を迎え、パネラーには、「龍力(TATSURIKI)」で有名な兵庫県姫路市・株式会社本田商店 代表取締役社長の本田眞一郎氏(長期熟成酒研究会 会長)。
もう一人のパネラーに、フランス・パリ発祥のワインスクール「アカデミー・デュ・ヴァン」講師の小森真幸氏(長期熟成酒研究会 会員/SSI 研究室専属テイスター)。
3名のプロが前列に並び、FBO研究室長の長田卓氏のナビゲートにより、セミナーが進められていく2時間半。
初めに、本田会長から、熟成古酒の変遷や飲用シーンや食事のスタイルによってペアリングの提案が変わること。
そして、ペアリングの相性は個人の嗜好や日本酒や料理に対する各個人の習慣などに強く影響を受けるため、答えに絶対はないということ。
このような熟成古酒とのペアリングをご提案する上での基本姿勢をお聞きした後、ゲスト講師の南部氏のお話に移りました。
福井県大野市で1733年に金物商として創業し、1901年に酒造りを開始した酒蔵で、講師の南部隆保氏は9代目。
南部醸造場のフラッグシップブランドは『花垣(HANAGAKI)』。
越前大野の弱軟水の仕込水と酒造好適米・五百万石を使い、雪深い寒冷な環境で醸される『花垣』。
米の20~30倍使う水は、地酒の命とも呼べるもの。
チェイサーには、花垣の仕込水が用意され、口の中が熟成古酒で満たされる前に舌を沿うような柔らかなお水を味わいます。
今回のセミナーは贅沢にも7種類の『花垣』と料理のペアリング!
提供された日本酒は、
1)『花垣』純米生酒
2)『花垣』年譜大吟醸 10年古酒
3)『花垣』年譜純米 5年古酒
4)『花垣』秘蔵熟成古酒 全麹19年貯蔵
5)『花垣』貴醸年譜(貴醸酒)1年
6)『花垣』貴醸年譜(貴醸酒)3年
7)『花垣』貴醸年譜(貴醸酒)7年
ペアリングしたお料理は、
A)小鯛の笹漬け
B)鯖の味噌煮
C)へしこ
D)たくあん煮
E)豚の角煮
F)ブルーチーズ
G)羊羹
最初の本田会長のご助言の通り、ペアリングの正解はひとそれぞれなのですが、参加した皆さんがA)から順番に1)、2)、4)、7)の『花垣』との相性を探って、アリ(○)か、ナシ(×)を挙手でカウントしていき、ゲスト講師とパネラーのおふたりの評価も聞いていきました。
福井県を訪れたことがない私にとって、A)小鯛の笹漬け、C)へしこ、D)たくあん煮はお初にお目にかかりましたが、へしこは、これは・・・・熟成酒の燗酒を片手にちびちびいけそう。酒好きにはたまらない酒の肴ですね(*゚∀゚*)
そして、わたくし、貴醸酒が大好きなのですが、
7)『花垣』貴醸年譜(貴醸酒)7年
と
F)ブルーチーズ
そこにドライパイナップルを添えていただいたら、美味しすぎて・・・
「うまーーーーっ・:*+.\(( °ω° ))/.:+」と叫んでしまいました!
美味しすぎました。
日本酒は出来立ての新酒が美味しいというのが定説ですが、以前は売れ残りといわれていた熟成古酒も、きちんと研究して手をかけ、毎年の変化を楽しみながら、ヴィンテージとして商品化していけば、
「酒蔵ごとの」「時を経た」「日本酒の新たな楽しみ方」
ができることに今回のセミナーを通じて気づくことができました。
(長期熟成酒研究会も熟成することを前提に美味しいお酒となるよう長年研究されてきました!←南部醸造場はなんと20年!)
ちなみに100年を超えるとお酒ではなく調味料のような味わいになるそうです。
茨城県内で熟成古酒造っている蔵元さんいらっしゃるかしら?
まだお会いしたことないですが、きっとどこの蔵にも眠っているはず….(( _ _ ))..zzzZZ
茨城県内酒蔵の熟成古酒見つけたら、ペアリングイベントやりますよー!
(需要あるかな?)
どういった特定名称酒が熟成古酒に向いているのか、貴醸酒とはなにか、については、長くなりそうなので、別のブログ記事でまた書きたいと思います♪
熟成古酒、好きになりました♡
ではー!
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・全国新酒鑑評会2019、茨城県は過去最高の12蔵が金賞を受賞!
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長期熟成酒研究会
Web:http://www.vintagesake.gr.jp
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株式会社南部酒造場
Web:https://www.hanagaki.co.jp
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