
鍋店株式会社とは
鍋店株式会社は、“発酵のまち”と名高い千葉県香取郡神崎町(こうざきまち)に酒蔵を構える会社。
良質な米の産地であること、地下水が醸造に適した水であることから、古くより日本酒や味噌の醸造業が盛んな街として発展してきました。
その神崎町で現存する日本酒醸造蔵は、寺田本家と鍋店の2蔵のみ。
どちらの蔵も300年以上の歴史があります。
鍋店の創業は、1689年(元禄2年)。
徳川幕府5代将軍の徳川綱吉の時代、佐倉藩より1,050石の酒造株を与えられ、成田山新勝寺の門前に蔵を構えて酒造りをはじめました。
創業当時の銘柄は、『蓬莱山』。
1900年(明治32年)に、香取郡神崎町に酒造を移し、銘柄を『香神』と名付けます。
1909年(明治41年)に、兵庫県魚崎町(現在の神戸市灘区)に酒造を設け、銘柄を『仁勇』。
1914年(大正3年)には、印旛郡六軒(現在の印西市)に酒造を設け、銘柄を『利根正宗』としました。
企業整備令により、1942年(昭和17年)に3つの蔵を閉鎖し、水質の優れた神崎蔵に集約。
代表銘柄は、『仁勇』(じんゆう)としました。
鍋店では、古来より越後杜氏や南部杜氏による造りでしたが、「自分たちの力で個性のある酒を造りたい」と、1997年(平成9年)より自社社員による酒造りを開始します。
2004年(平成16年)には、日本酒の専門店向けの商品として、仁勇に次ぐ銘柄『不動』(ふどう)』の販売がスタート。
現在、鍋店オンラインショップ「鍋店源五右衛門」では、仁勇や不動シリーズのほか、特別純米酒の「神崎蔵」「やちよ桜」、にごり梅酒やゆず酒を購入することができます。
地元でなければなかなかお目にかかれない仁勇・不動。
その中でも、「仁勇 51歳からのTHE日本酒」というポマード臭しそうなオジサンの絵がラベルになっている一本がわたくしとても気になっています…。
どなたか一緒に開けませんか・・・?
鍋店の日本酒『仁勇』『不動』
『仁勇』
©️鍋店
“人は人徳と勇気を持って生きるべし”という家訓から命名された酒銘「仁勇」。
洋食や和食など、どんな食事にもあうオールマイティな日本酒としての王道を歩みつつ、より個性的で味わい深く、飲み飽きのしない味わいを目指したお酒です。
人気ナンバーワンは、「仁勇 純米吟醸」。
ほんのりした甘さと香り、適度なコクを持った味わいで、「2023年ワイングラスでおいしい日本酒アワード」のメイン部門で最高金賞を受賞した実績があります。
『不動』
©️鍋店
“日本酒が持つ「米」「醸造」から生まれる味わいをより楽しんでいただきたい”という想いから誕生したお酒。
千葉産米を中心に醸す仁勇と比較し、不動は各地の酒米を使用して限定醸造しています。
吊るししぼりや生酛など手間をかけた、日本酒専門店向けの商品となっています。
鍋店株式会社「仁勇 蔵祭り」とは
1999年(平成11年)より始まった「仁勇 蔵祭り」。
神崎町全体で同時開催する『発酵の里こうざき酒蔵まつり』に合わせて鍋店と寺田本家の2つの酒蔵を中心に街全体がお祭り一色になります。
人口5,500万人の町に5万人が集まる大イベント。2025年の今年はなんと7万人の方が来場されたそうです!
私は、2018年の蔵祭りに参加したので、その際の様子を写真とともにご紹介したいと思います。
他の蔵見学では拝見したことのない、入場口からすでに試食コーナー!(もぐもぐ)
至る所にパネル説明が丁寧に施され、初心者でもとても理解しやすい内容となっています。
とにかく大きい!工場ですね。
木造二階建てなのにとても丈夫な造り。麹室へGO!
地元契約米の種類や精米歩合ごとの大きさを比較したり、顕微鏡でコメの破精具合をチェック。
種麹も見せてもらえます!
実際の酒造りの様子については、動画を観ることで理解が深まります。
タンク上部から櫂を入れてみたり(わざわざ香らせてくださってありがとうございます)、
醪の試飲はできません、そうですよね!でも税務署員こっそり来てそう!
こんな感じで、酒造りについて臨場感と立体的な視点で学べるので、ぜひ日本酒初心者の方には特に楽しめるのが「仁勇 蔵祭り」の魅力です。
実は全く存じ上げていない銘柄でしたが、蔵が綺麗で大きくて、蒸米も試食できて、スタッフのおばちゃんが素敵な方が多くて癒されました。
もう一周しようかなと思ったくらい!
蔵祭りとは別に、通常の蔵見学も行っておりますので、行ってみたい方は以下のリンクからお申し込みください。
https://www.nabedana.co.jp/tour.php
改めてもう一度いきたい!通常の蔵見学にもいってみたい!そう思わせてくださった「仁勇 蔵祭り」でした。
とても遠くて行けそうにない方は、鍋店公式ホームページからVRによる酒蔵見学も体験できます!
鍋店株式会社へのアクセス
▼電車をご利用の場合
最寄り駅 JR成田線「下総神崎駅」より徒歩約19分。
下総神崎駅から神崎ふれあいプラザ入口まで、臨時のシャトルバスが運行。
※蔵祭り当日は混み合うため、公共交通機関の利用をおすすめします。
▼乗用車をご利用の場合
東関東自動車道 大栄ICから車で20分
圏央道 神崎ICから車で8分
※イベント時駐車場は、近隣の田んぼが臨時駐車場になります。
もちろん、飲みたい方が多いと思いますので、電車での来場をおすすめします!
イベント詳細は 「鍋店株式会社 神崎酒造蔵」公式Facebook をチェック。
タイムリーな情報を入手できますよ。
とっても小さな町でも、アクセスが悪くても、たくさんの方が足を運びたいと思わせるイベントであること。
そして、町の皆さんが一丸となってお祭りを楽しんでいる姿がとても印象的でした。
イベントをたまに開催する私にとってとても学び多き蔵見学でした。
それでは、また。
♦︎関連記事♦︎
・株式会社寺田本家の「お蔵フェスタ」へいってきました!
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鍋店 株式会社
なべだな かぶしきがいしゃ
NABEDANA INC.
代表取締役社長:山岸 逸人
創業:1689年(元禄2年)
住所:〒289-0221 千葉県香取郡神崎町神崎本宿1916(神崎酒造蔵)
TEL:0478-72-2225(問い合わせ:0476-22-1455)
FAX:0478-72-2833
営業時間:9:00-17:00
営業日:月曜〜金曜日
Website:https://www.nabedana.co.jp/index.php
オンラインショップ:
https://www.nabedana.shop
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