塚田屋ストアのあるつくば市上郷
茨城県つくば市にある酒屋さん「塚田屋ストア」。
茨城県の面積ランキングで常陸太田市、常陸大宮市、大子町に続いて4位に入るつくば市は、283.72㎡という都会街においてもかなり広い街。
塚田屋ストアは、縦に長いつくば市の西側に位置する上郷(かみごう)という地域にあります。
上郷エリアは、つくばエクスプレス・つくば駅よりも、隣町の常総市にある関東鉄道常総線・石下駅の近くです。
明治時代、日本の重要な輸出品となった生糸(絹)。
その影響で、現在のつくば市内の範囲も県内有数の養蚕地帯となっていきました。
1925(大正14)年、旧上郷村に株式会社上郷繭市場を設立。
集められた繭は荷馬車で運ばれ、常総鉄道・石下駅(現在の関東鉄道常総線・石下駅)から長野県内製糸工場まで鉄道で運ばれました。
繭の生産者や商人たちは、塚田屋ストアの斜向かいにある上郷館に宿泊。
そこで宿泊客は、宴会するなどして、お酒がとても売れたそうです。
また上郷は、小貝川が近いことから、水運でも栄えた街でした。
茨城地酒を愛する唎酒師&日本酒学講師の免状をもつ店主のお人柄
お酒に関する商売をしていた塚田屋さんですが、塚田屋ストアが酒販免許を正式にいただいたのは、昭和33年。
現在、お店を仕切る塚本光司さん(現在58歳)で5代目になります。
塚本さんは、地元の高校を卒業してから都内の大学へ進学し、早めに卒業。
大手スーパーマーケットチェーンに就職し15年。
コンビニエンスストアで働いたりもしましたが、いつしか「自分のお店持ちたい」と思うようになりました。
茨城県外のお酒が流行の波に乗っている最中、どこかで開催されていた日本酒の試飲会に参加。
試飲会でいばらき地酒を飲み、「茨城の地酒は負けていない」と思ったのが、今からちょうど20年前。
その経験がきっかけとなり
酒店を継ぎたい
と思ったものの、まずは父親を説得する必要がありました。
まずは
どこまでやれば父に認めてもらえるのか
と考え、平成13年に日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)の唎酒師資格を取得。
茨城の地酒を主に販売することを目指し、はじめに塚田屋ストア近隣の酒蔵3件の清酒である「紬美人」、「一人娘」、「霧筑波」から取り扱いを始めました。
その後、唎酒師の上位資格である、日本酒学講師を平成16年に取得。
日本酒学講師を取得するには、当時、7単位の講座を取る必要がありました。
仕事をしながら、酒蔵に一週間泊まり込みを3回行いました。
研修先は、日本酒「仙禽」で有名な栃木県の株式会社せんきん。
レポート提出して合格したら、養成講座に出席できますが、養成講座受けてからも5次試験までありました。
塚本さんご本人に、そのバイタリティはどこからくるのか伺ってみると、「つきつめる性格なんです」と。
人に教えられるようになって一人前と思っている
そうで、塚本さんの唯一の趣味であるスキューバダイビングもインストラクター資格を持っています。
そんな腰の低い塚本さん。
令和4年には、いばらき地酒ソムリエS級も取得され、いばらき地酒愛を突き詰めた結果、現在は、茨城県内20蔵の日本酒を取扱っています。
塚田屋ストアの日本酒のうち茨城地酒の割合は、なんと、99.8%!ほぼ、茨城地酒です。
私が茨城地酒について調べ始めた当初、Facebookで定期的に各蔵の地酒一本一本がどのような特徴をもっているか、詳しく解説されている塚本さんの投稿から、地酒の魅力に魅かれていきました。
近年では塚田屋ストア(塚本さん)のSNSの投稿をみて訪問する若いお客様や女性のお客様も増えてきたそうです。
そんな塚本さん、お店にいらしたお客様がなかなか買いたいお酒が決まらず、おすすめを聞かれた際、「今夜なにを召し上がるのか」「印象に残っているお酒はどんなお酒か」を聞いてお客様の嗜好に寄り添うお酒を提案します。
それが可能である背景には、塚本さんご自身がとても熱心な勉強家であること。そして日本酒学講師の知見を活かした舌の感覚。
お酒を仕入れる基準は、店主自ら酒蔵を訪れ、酒米の種類・精米歩合・価格帯等から、自分の舌で吟味した銘酒だけを取り揃えています。
最初の買い付けの時だけではなく、定期的に行っているため、年々変化する各蔵の目指す味わいなどの特徴もかなり詳細に分析されています。
塚田屋ストアでは、日本酒のほか、ビール、焼酎、ウイスキー、お菓子も販売。
クラフトビールやお菓子はとても珍しいものが置いてあり、日本酒のほかにもついつい買ってしまいます。
(おそらくお菓子は奥様が仕入メイン担当?!)
ギフトの販売も行っているため、暮れの時期はお忙しいそうですが、贈答品や、いばらき地酒をまとめて購入したいときは、塚本さんにお願いすれば、きっと素敵な唎酒チョイスしてくださることでしょう。
今晩のおかずに合う一本から、手土産にふさわしい一本まで、一緒になって考えてくださるはずです!
塚田屋ストアへのアクセス
塚田屋ストアへは、自動車での訪問がおすすめです。
⚫︎水戸方面から向かう場合
常磐自動車道・水戸ICから南へ進み、土浦北ICで降ります。
国道125号線で西方面へ進み、県道200号(藤沢豊里線)から、つくば市上郷の県道133号へ出ると、右側に塚田屋ストアがあります。
水戸インターチェンジから塚田屋ストアまでは、約1時間です。
⚫︎東京方面から向かう場合
東京駅周辺丸の内ICより、首都高都心環状線/C1から三郷料金所を経て常磐自動車道へ。
常磐自動車道・谷和原ICで降りて、北へ国道294号線を進み、つくば市上郷の県道133号に出て走行していると、左側に塚田屋ストアがあります。
谷和原インターチェンジから塚田屋ストアまでは約30分。
東京駅からは約1時間20分です。
道の駅 常総への寄り道も
塚田屋ストアへ訪れた後、常総市にある野村醸造でのお食事や蔵見学(事前予約必要)も良いですが、常総インターチェンジ近くにある「道の駅 常総」への訪問がおすすめ。
道の駅 常総 Website
https://www.michinoeki-joso.com
常総市を中心とした農産物直売所などの物販エリアを含め、茨城地酒やクラフトビール、たまご専門店のレストラン、さまざまな種類のメロンパンが並ぶメロンベーカリーやスイーツも楽しむことができます。
隣接して、こどもの遊び場併設の「BOOK&CAFE TSUTAYA BOOKSTORE常総インターチェンジ」も今年5月にオープン。
スターバックスやジェラートショップなどがテナント入居しており、お店で購入したスイーツやドリンクを片手に、購入前の本をゆっくり読むことができます。
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さて、地域情報を含めてお伝えした今回の記事。
私が住む地域から塚田屋ストアさんまでは、同じ茨城県内でも非常に遠い場所にあります。
コロナ禍もあり、なかなかお会いできなかったのですが、その分、いばらき地酒愛に話が弾んで、お尻が岩になるほど会話に華が咲きました!
穏やかな口調で茨城地酒愛を熱く語る塚本さんの背中を追いかけて、私も引き続き、茨城地酒を学んでいこうと思います。
どのお酒を購入するか迷ったら、ぜひ塚本さんにご相談ください。
お電話や訪問で緊張される方は、まずはSNSでお声がけください。
それでは!
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塚田屋ストア
つかだやすとあ
TSUKADAYA Store
代表:塚本 光司
住所:〒300-2645 茨城県つくば市上郷3318
TEL:029-847-2008
営業時間:8:00-20:00
定休日:不定休
駐車場:あり(店舗脇右から奥にあります)
Online shop:https://tsukadaya.thebase.in
Website:http://www.tsukadaya.com
Facebook:https://www.facebook.com/tsukuba.tsukadaya
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